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マルダノフ・アゼルバイジャン文部大臣を招き第120回FEC国際問題懇談会・朝食会を開催。両国の教育交流促進=大臣が感激する場面も

アゼルバイジャン 国際問題懇談会

2009年05月29日更新

マルダノフ大臣(左から2人目)とホセイン大使(左)

マルダノフ大臣(左から2人目)とホセイン大使(左)

アゼルバイジャン側(左)とFEC役員

アゼルバイジャン側(左)とFEC役員

とき

平成21年(2009)5月29日(金) 9時00分〜10時30分

ところ

ホテルオークラ東京

概要

マルダノフ・アゼルバイジャン文部大臣を招き第120回国際問題懇談会・朝食会を開催

内容

民間外交推進協会(FEC)は5月29日、アゼルバイジャンより初来日中のミシル・マルダノフ文部大臣を招き、第120回国際問題懇談会としての歓迎朝食会をホテルオークラ東京・本館で開催した。

開会に際して埴岡和正理事長は、「シンガポール、マレーシアを訪問されこのたび日本を初訪問のこと歓迎したい。ところで、大臣は昨夜皇太子殿下と偶然に会われたとの由、なかなか無いことなので大臣は運が良い。また、本日のFEC側出席者は事前にホセイン駐日大使と相談し、人選した結果であり、わが国私立大学の雄の日本大学総長であった瀬在幸安氏と、青山学院の松澤建理事長、そしてアゼルバイジャンで最も有名な日本企業である国際石油開発帝石の松尾邦彦会長が出席。日本文化を代表する能の坂井音重能楽師も予定していたが、都合でご欠席。本席は今後の日本とアゼルバイジャンの経済、文化、人的交流促進のための意見交換の場としたい」と主催者挨拶した。

概 要

<ミシル・マルダノフ文部大臣>

今回の初来日は大統領の指示によるもので、日本との学術交流を図ることを目的としている。大統領は日本との関係強化を重視しており、今後次のことを実施したいと希望している。(1)首都バグーにある2から3の中学校で日本語を教えたい。目的は将来日本語を学んで日本の大学に留学をさせたい。(2)、大学間のレベルで日本と交流するため、大統領が学生に奨学金(石油収入の一部を当てて海外留学は5,000人としたい)を支給し日本に留学させる。また、日本の公・私費奨学金を利用してアゼルバイジャンの学生の日本に留学の機会を得たい。(3)、日本とアゼルバイジャンの関係が発展しているので、日本の学生のアゼルバイジャンに留学も進めたい。バグ国立大学では5〜6年前から日本語学科を設けている。

アゼルバイジャンに50の大学が有り35校が国立で15校が私立です。私立は15年程前に設立されました。また、アゼルバイジャンの大学には独立した国立の医学専門学校が1校と、私学で医学部がある大学が1校のみですが、私学の医学部は始まったばかりです。

<松尾INPEX会長>

カスピ海のACP油田に外国の石油会社と一緒に開発しており、当社からアゼルバイジャンを訪問したり、ご訪問をいただいたりしている。

アゼルバイジャンは旧ソ連邦の中で外国人をもっとも暖かく迎える国民性であることに、大変感激した。

なくなられた前大統領とも今の大統領ともお会いし、お話をしたが、貴国のリーダーの国を発展させる力強さを感じ、日本はわが国発展のための手本の国であると言っていただき、感銘を受けた。

我が社は産油国の人材育成や教育交流も少しずつ進めており、日本の大学、大学院に進出していただけないかと依頼され、各大学に関係者を訪問したことがある。

文化交流の面では、日本の近代芸術や共にある伝統文化、例えば茶道の紹介をし、好評をいただいている。

日本の精神文化を評価いただき、貴国とも色々と交流ができるだろうと考えている。

最近、技術を勉強した日本の大学生が、石油開発分野に進まないことが多い。理系や文系と色々あるが、貴国の学生の状況はどうか?

<文部大臣>

アゼルバイジャン石油化学アカデミーは設立80年。アゼルバイジャンで一番人気の大学の一つだ。

ソ連時代でも石油化学で一番良い大学であった。アゼルバイジャンの若者は喜んでそこに入学する。

同大卒業者はアゼルバイジャンで活躍している。外資系石油会社にも多く就職している。

アメリカのジョージ大学と交流があり、同大学の卒業と同等の資格得られるだけでなく、中国等他国からの留学生も在学している。数年前エジプトを訪問したら、同大学の支部をヱジプトに作ってほしいと頼まれた。

石油会社も様々な形で同大学を支援している。バクー国立大学では5〜6年前から日本語学科を設けている。

昨日、日本の専門学校を訪問した。専門学校のレベルでも、アゼルバイジャンと協力していきたい。日本はIT分野で一番発展しており、教育面でもIT教育を行っている。

例えば、日本のIT専門家がアゼルバイジャンに来てくださり、ITを教えていただくことはどうか。

アゼルバイジャンの学生以外にも専門家が来日し、日本で研修を受けている。

日本政府のODA支援で、40くらいの学校を建設してもらった。

教育分野だけでなく、道路などのインフラ分野でも日本から大変援助をいただいている。

こういったこともあり、この程駐アゼルバイジャン日本大使に対して初めて勲章を授与した。

アゼルバイジャンは、日本を大変尊敬している。ぜひFECの皆様をアゼルバイジャンに招待したい。そしてアゼルバイジャンの実情を知っていただきたい。

<埴岡理事長>

大臣は人柄が良く、顔に出ている。良い顔をしておられ、親近感を持った。学長時代は学生にしたわれ、政治家としては国民に人望が厚いと思う。今回は大統領の命令で初来日されたことは大変に意義深い。

大統領が国づくりは人づくり、教育が重要とのしっかりした考えをお持ちと拝察する。私達も出来る限り協力してまいりたい。

<松尾INPEX会長>

大臣がおっしゃった3つのことを私達もよく理解している。国づくりは人づくり。また、人づくりが国づくりでもある。

日本は世界の色々な国とお付き合いをしていかなくてはならないと考えている。

大臣が日本との経済・文化・教育交流を進められるためご訪日されたことは、私達も同じ思いだ。

これからは埴岡理事長と協議して、すぐにとはいかないまでも、具体的に実を結ぶように取り組んでまいりたい。

貴国と日本は、距離的には離れているが、交通機関や通信機器の発達により、距離などは関係なくなっている。

(注)社用により途中で退席した

<埴岡理事長>

日本の大学の長もサラリーマンが多くなり、2〜3年でコロコロと変わることが多くなった。

今日のFEC側の出席者は大ボスばかりだ。&#28712在日本大学総長は、10年間総長の座に就いておられた。松尾会長、松澤理事長も同じで、貴国とは今後長い付き合いができるだろう。

シンガポールを訪問され、緑が多いと感じられたと思う。数十年前シンガポールは一面が岩山だった。そのときの若きリーダーはリーカンユー氏で、リー首相が訪日した際、皇居の周りに緑が多く美しい街だと感銘を受け、自国の国づくりの基本とし今日のエバーグリーンシンガポールとなっている。

マレーシアのマハティール首相も同様であらゆることは日本から取り入れた。そのことが両国の今日の経済発展に役立ったことは間違いないと考える。貴国大統領のお考えは正しいと思う。

イランやグルジアに住んでいるアゼルバイジャン人を含めると、アゼルバイジャンは大国である。今後の発展を願っている。

<文部大臣>

アゼルバイジャンは南コーカサスに位置している。アゼルバイジャンは、北はロシア、南はイラン、西はグルジア、アルメニアと接している。

1991年までソ連の一部で、91年に独立国家となった。独立当初は経済的にも苦しかった。隣のアルメニアは、ロシアの支援を受けてアゼルバイジャンを攻撃し、その一部を占領した。そのときはアゼルバイジャンは、元平和党書記長ヘイダル・アリエフが大統領になり、94年アルメニアと停戦条約を締結した。

94年9月20日、外国の石油会社と正式に契約し、その時から経済発展が始まった。

アゼルバイジャンは0から始まった。ソ連時代は、アゼルバイジャンは旧ソ連の15共和国の一つだったが、独立国家となり世界各国と二国間関係を持つことが出来るようになった。人口は800万を超えた。

イラン北部は、元々アゼルバイジャンの一部で、今3000万人のアゼルバイジャン人がいるといわれている。グルジアにもアゼルバイジャン人は30万人程度いる。また、アゼルバイジャンに一番近い国はトルコで、トルコには200万人くらいのアゼルバイジャン人がいると言われている。

アゼルバイジャン語とトルコ語はとてもよく似ている。

アゼルバイジャンでは、6歳から学校に入り、11年間の義務教育を受ける。

95%が国立で、私立・もある。アゼルバイジャンには50の大学があり、うち15が私立。

アゼルバイジャンの大学の教育は、ヨーロッパ・アメリカに近い教育

現在8000人くらいの外国人留学生がいる。それは非常に少ない。理由は、留学生会館にアルメニアからの難民が住んでいるからだ。外国に住んでいる学生は4000人くらいいる。今後増える方向にある。

アゼルバイジャンの大統領は、石油収入の一部を留学支援に向けている。大統領は、2007年から15年までの留学支援のプログラムを作った。その間に、5000人の若者を海外留学させることとしている。私は日本の大学にも留学させ、勉強をさせたい。一番多いのはヨーロッパであるが、アジアでも勉強さすべきだ。アゼルバイジャンの大学と日本の大学も、直接交流すべきだ。今東大で1名のアゼルバイジャン人学生が勉強しているのみと聞く。もちろん 学費はアゼルバイジャン政府が全額負担している。

教育は、学生だけでなく技術者や学者も日本との交流や勉強をすべきと考える。

経済が発展したら、教育に使う予定。そして、さらに教育を発展させたい。

今日の会談は大変有意義であったことを受けてその内容を、大統領に報告する。駐アゼルバイジャン日本大使、そして近々に来日する外相にも話す。

<松澤理事長>

最近アジア各国は、米国に一番多く留学させていたが、最近日本にも留学させるようになってきた。日本には少なくなってきたとはいえ、国に対して、公に対して、奉仕する精神がある。即ち武士道精神が残っている。FECの精神はサムライ精神そのものである。

<その他の問題での懇談>

埴岡理事長がアゼルバイジャンとアルメニアとの領土問題、ロシアが占拠している日本の北方領土などについて大臣と率直な意見を交換し大臣は一つ一つにうなづき合意し終わりにそのやりとりで会場の雰囲気が一気に大いに盛り上がる場面となった。

懇談を終えて

文部大臣は懇談を終えて、「日本滞在中には多くの会議、面会などがあったが、今日ののこの場がもっとも有意義で感動と思い出に残る」と深く感謝し、同席のFEC役員一同と写真を撮影しようと述べ、結局6回もの写真撮影となった。駐日大使も深々と一例し謝意を表した。

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