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第10回FEC日露経済問題等協議会(略称:日露経協)を在日ロシア連邦大使館で開催=併せて駐日ロシア公使主催の新年会が盛大に催される

ロシア 日露文化経済委員会

2010年01月20日更新

両国間の政治情勢等について互いに率直な意見を述べあった=FEC日露文化経済委員会

主催者挨拶の原良也日露経済委員会副委員長とオヴェチコ公使(左)

主催者挨拶の原良也日露経済委員会副委員長とオヴェチコ公使(左)

第10回日露経済問題等協議会の開催風景

第10回日露経済問題等協議会の開催風景

とき

平成22年(2010)1月20日(水) 15時〜18時

ところ

在日ロシア連邦大使館

概要

在日ロシア連邦大使館にて第10回FEC日露経済問題等協議会を開催した。

内容

主な出席者

埴岡和正常任副会長、FEC日露文化経済委員会副委員長の原良也(株)大和証券グループ本社最高顧問、都甲岳洋FEC日露文化経済委員長代行・元駐ロシア大使、FEC副会長の瀬在幸安元日本大学総長、同野村吉三郎全日本空輸(株)最高顧問、同福澤文士郎東亜合成(株)取締役相談役、同田中宏(株)クレハ取締役会長、尾崎護矢崎総業(株)顧問、渡邊五郎森ビル(株)特別顧問、松本謙一サクラグローバルホールディング(株)代表取締役会長、蜂谷哲也さくらクリニック院長、森敏光(株)みずほコーポレート銀行顧問・元駐カザフスタン大使らFEC役員・会員はじめFEC法人会員の企業代表者30人

内 容

民間外交推進協会(FEC)日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)取締役会長)は1月20日、在日ロシア大使館との共催による第10回日露経済問題等協議会を在日ロシア大使館で開催した。大使館からはオヴェチコ駐日公使が出席し、FECは埴岡和正常任副会長、FEC日露文化経済委員会副委員長の原良也(株)大和証券グループ本社最高顧問、都甲岳洋FEC日露文化経済委員長代行・元駐ロシア大使、FEC副会長の瀬在幸安元日本大学総長、同野村吉三郎全日本空輸(株)最高顧問、同福澤文士郎東亜合成(株)取締役相談役、同田中宏(株)クレハ取締役会長、尾崎護矢崎総業(株)顧問、渡邊五郎森ビル(株)特別顧問、松本謙一サクラグローバルホールディング(株)代表取締役会長、蜂谷哲也さくらクリニック院長、森敏光(株)みずほコーポレート銀行顧問・元駐カザフスタン大使ら、FEC役員・会員が多数出席した。FECはロシアと20年の交流実績を誇っているが、両国間の交流促進の方策を協議する場として、2006年12月に在日ロシア大使館と本協議会を設置し、過去9回開催された。日露ビジネス上の障害、課題について、本音の意見交換により、改善要望や問題解決策が毎回率直に述べられ、双方の出席者から好評を得ている。先般来日し、FEC主催の講演会及びFEC役員との懇談会に出席したラブロフ外相やナルィシュキン大統領府長官も、こうしたFECの日露交流活動に謝意を述べられた。今回も、昨年10月の前回の協議内容や昨年12月の日露外相会談結果を踏まえ、オフレコを交えた活発な議論が交され、協議会に続いての隣室での新年会を兼ねたレセプションも盛況であった。

開会に際してFEC日露文化経済委員会副委員長の原良也(株)大和証券グループ本社最高顧問が、「鳩山首相は新年の国会において、ロシアは重要なパートナーとして政治、経済両分野の関係発展を期待すると述べたが、ナルィシュキン大統領府長官は昨年11月のFEC日露フォーラムで領土問題の見解相違があり、対話環境改善が必要と述べた。今年は日露修好155周年の年。政府、民間の相互交流の活発化が重要で、本日の協議会も一助になればと願っている」と主催者挨拶の後、埴岡和正常任副会長の司会進行で懇談に入った。

懇談概要

 

オヴェチコ公使:
長年日露友好関係にFEC副会長として多大な貢献をした瀬在幸安元日本大学総長への叙勲授与を昨年末決定した(出席者から拍手)。4月のナルィシュキン大統領府長官来日時に伝達式を予定していると述べた。ゴールドマンサックスの調査では、過去10年間のGDP成長はロシアが4.8倍、インドネシアが3.5倍、ベトナム3.1倍、中国2.9倍とロシアが最高。90年代末の深刻な経済危機から脱し、主要輸出品の原油・ガスの価格上昇からロシアの発展が加速するとともに、世界経済への影響と役割が上昇した。09年は、世界的な金融経済危機から、石油生産は1.8%、ガス生産は0.7%伸びたが、GDPは5%下落し日ロ貿易も07年水準(127億ドル)へ縮小した。新年を迎え経済回復が主要課題となり、石油依存型経済構造の是正を主眼に、国営企業の革新投資の大幅拡大や研究開発・省エネ投資に対する税制優遇措置が発表された。原子力、宇宙開発、サービス産業等がロシアの経済発展の牽引役として期待される。

年末の日露外相会談は、今後の領土問題交渉の建設的基盤となった。日露関係は昨年成功の年ではなかった。日本の国会で7月に決議された北特法改正は、「日本固有の領土」と初めて法律に明記したもので、ロシアで大きな波紋を呼び両国関係を冷却化した。鳩山政権下でも11月に「ロシアが不法占拠」との答弁書が閣議決定され、ロシアで不安視されている。外相会談では、プーチン首相訪日時に示された経済協力拡大の具体的行動や、アフガン問題の対話の必要性が確認された。岡田外相が領土問題に言及したが、ラブロフ外相との見解の相違が明記された。独創的アプローチについて、ロシア側は「オープンな立場」と発言した。日露関係がリセットされないとブレーキが踏まれる懸念がある。

馬蹄和久阪和興業(株)取締役:丸太輸出税引き上げは今年も1年間延期されたが、日本の輸入は激減し、国と県から補助金の出る国内杉使用が増加している。製材用が最高級で次が合板用だ。

瀬在幸安元日本大学総長:では、やはり国内産杉使用で採算がとれるのか。

オヴェチコ公使:ロシア製赤松は140ドル/㎥、日本製は125ドル/㎥位が現状の価格だ。

森敏光元駐カザフスタン大使:メドベージェフ大統領は「西側との経済関係改善に重点」と強調している。外交の成果は経済交流にかかっている。外務省のロシア課長も、「雰囲気が変った」外相会談の結果に期待しているが、諸問題に直面する日本の経済人は懐疑的だ。戦略産業への投資ルールが厳しいが、改善の動きはあるか。

オヴェチコ公使:同じ言語のウクライナ等より日本との経済協力は進めやすい。ビジネス環境面の問題あろうが、外資政策などの法的整備の可視化を進めていきたい。例えばエネルギー分野よりも利益が見劣りする、航空宇宙産業などの先端技術開発分野への投資に対しては優遇措置も検討されよう。

中川原俊輔(株)三井物産戦略研究所ロシア・CISビジネス推進室長:3つのリセットができた09年はロシアにとって幸運な年だった。米国とはMD配備問題、EUとはグルジア侵攻問題、日本とは政権交代だ。但し、日本のリセットは具体的中身が見えない。10年来の課題だが、予想される具体的進展の中身は何か。ロシアは能動的動きをせざるをえないのではないか。

オヴェチコ公使:日本とは冷静な対話の雰囲気を作り、交渉進展が両国民に示せれば嬉しく思う。

中川原俊輔(株)三井物産戦略研究所ロシア・CISビジネス推進室長:極東シベリア開発は両国の利害が一致するが進んでいない。「75年間中国への租借提案」(ペテルスブルグの研究所)や、中ロ首脳による中ロ国境地帯での共同事業提案についての見解は。ロシアは日本をあきらめ中国をパートナーとして選んだのか。岡田外相が、領土問題解決を唱えたソルジェニーツィンを引用したが、どう受け止めたか。

オヴェチコ公使:ケースバイケースで差別的扱いはしていない。日本企業も関心あれば前向きに検討できる。パートナー関係は雰囲気作りが重要だ。ソルジェニーツィン引用は日本の外交戦略の一部との印象だ。

武居信男蘭日貿易連盟日本代表:各国比較の指標として自動車産業に注目しているが、何故にロシアは生産が急減したのか。政治と経済がかみ合っていないのではないか。

オヴェチコ公使:国民の消費減退と為替安の影響が大きい。今日から新車買い替え促進策を導入した。輸入車、小型車も含め200種類の新車を対象に2千ドル補助される。

中川原俊輔(株)三井物産戦略研究所ロシア・CISビジネス推進室長:政府と経済が必ずしもかみ合うのがロシアであるかも。

田丸 周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役:中古車の輸入関税引き上げは極東経済に大打撃を与え、日ロ貿易激減を招いた。岡田外相も保護主義的措置の改善を要求した。国産車育成というが、2万点の部品を組み合わせる自動車製造はロシアに不向きと思う。トヨタの工場はうまくいっているのか。ロシアは資源エネルギー産業の高度化を目指すべきだ。

尾崎 護矢崎総業(株)顧問:ロシアは自動車部品メーカーの進出を歓迎するか。日本語のロシアの統計データが不足している。

オヴェチコ公使:トヨタ、日産等が進出しており歓迎する。OECD方式の統計データが利用可能だ。また、当大使館からは各種資料を提供する。

都甲岳洋元駐ロシア大使:両国首脳間では、アジア太平洋地域の戦略的パートナーとして行動することで一致している。領土問題を前進させるための雰囲気作りには、国内世論の形成、説得が近道。ナショナリズムを排し、21世紀にふさわしい両国関係形成を目的に心がけるべきであろう。

この後、会場を隣室に移し、セルゲイ総領事、ヤーセネフ参事官も加わり新年会を兼ねたレセプションが開かれた。オヴェチコ公使の乾杯の音頭で、都甲日露委員長代行のあいさつに引き続き談論風発の場となりFECと在日ロシア大使館の出席者の交流、親睦がより一層深まった。

(田丸 周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役・記)

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