English

第9次インド訪問団報告会を開催

インド 日印文化経済委員会

2015年03月27日更新

報告会をする渡部賢一第9次インド訪問団団長

報告会をする渡部賢一第9次インド訪問団団長

報告会の開催風景

報告会の開催風景

とき

平成27年(2015)2月13日(金) 11時~12時

ところ

LEVEL21東京會舘

内容

民間外交推進協会(FEC)は2月13日、LEVEL21東京會舘にて2014年12月2日から12月10日に派遣した第9次FECインド訪問団の報告会を開催した。報告会には訪問団団長の渡部賢一FEC日印文化経済委員会委員長(野村ホールディングス㈱常任顧問)はじめ団員10名、外務省より前田未央南部アジア部南西アジア課長、樋口正英南部アジア部南西アジア課研究調査員、その他FEC役員・会員等合わせて14名が出席した。

報告会では、湯下博之FEC専務理事の開会挨拶後、来賓として出席した前田未央南西アジア課長からは、「昨年5月のモディ政権誕生以降、インドとの関係を飛躍的に発展させていこうという機運が高まっている。昨年9月にモディ首相が来日した折には投資促進パートナーシップの合意に達し、今後5年間で日本からインドへの投資額と進出企業を2倍にしようという目標を設定した。こういった時期にFECがインド訪問団を派遣するのはタイムリーであり、インド側にも日本の関心事を伝え、改革を促進して頂いたことは政府側にとって非常に有難い。政府を代表して御礼申し上げたい。今回の成果や教訓を伺うのを楽しみしている。」と挨拶があった。

続いて、訪問団団長の渡部賢一野村ホールディングス株式会社常任顧問より、報告書を基に訪問都市や現地での面会者など訪問団の実施概要の報告がなされた。

【渡部団長からの報告】

第9次インド訪問団は、本訪問団の意義に賛同頂き、多くの皆様にご参加頂けましたことを、大変ありがたく思う。

昨年9月に日印両国首相による特別戦略的グローバル・パートナーシップという東京宣言が行われ、今回の訪問団はこれらを背景に日印間の相互理解を深め、更なる協力関係の構築に寄与できたと確信している。また、これを機会に団員相互間の交流を深めることができたのも成果だと思う。

訪問団は12月2日に出発し、9日間の日程でデリー、ゴア、チェンナイを訪問した。現政権を支えている政府閣僚や高官、経済団体、在インド日本国大使館及びチェンナイ総領事館の皆様と、官民バランス良く率直な意見交換が出来た。また、今回は10年ぶりの公開となるフランシスコ・ザビエルのご遺体に会遇することもでき、一様ではないインドの文化を肌で感じることもできた。

インドでは昨年、10年ぶりの政権交代があり、インド人民党が与党となった。単一政党の過半数獲得は実に30年ぶりだ。前回のインド訪問団の報告会では、「インドを今後製造拠点・消費市場として花開かせ、双子の赤字や高インフレ率等の構造問題を克服していくことができるか、インドは重要な岐路に差し掛かっている」と申しあげた。今回の訪問団は、モディ新政権がいかに大国インドを導いて行くのかを推し量るには絶好の機会であった。モディ首相には、前回の訪問団時にグジャラート州首相として会っているが、当時より強いリーダーシップを発揮していた。国際協力銀行が昨年発表した「中期的有望事業展開先国」の第一位に、インドが1992年の調査開始以来 初めて選ばれたのは、その期待の表れではないか。

今回の訪問団には、幅広い業種からご参加いただき、各訪問先において当方からの提案を含め、より深い意見交換をすることができた。

初日は、在インド日本大使館にて、磯俣経済公使よりインド情勢全般についてブリーフィングをしていただいた。団員からは、モディ政権の目玉であるMake-in-IndiaやJapan Plusを含めた具体的な質疑応答も数多くあり、団員の関心の高さを示すものだった。

午後は都市開発省のアガルワル次官にまずお会いした。都市開発における4つのプログラム①クリーン・インディア、②生活の質的向上、③スマート・シティ―、④基本的なインフラ整備について説明があり、海外からの投資を歓迎する旨の発言もあった。

その後、保健・家庭福祉省のヴェルマ次官を訪問した。日本とインドの良好な二国間関係を背景に、後発医療薬分野における協力、医療サービス、メディカル・ツーリズム、感染症への対応、医療機器のコストについての考え方等、保健・医療分野において、多岐に亘り意見交換がなされた。

初日最後は、鉄道省のプラブー大臣との面会だった。プラブー大臣とは一昨年にもお会いしており、冒頭「ウェルカム・バック」のお言葉を頂いた。プラブー大臣からは、「鉄道関連で日本と協力できるのは、新幹線と鉄道技術だ。特に安全面に配慮した近代化の技術は日本特有であり、是非協力していきたい」と力強いお言葉を頂戴した。面談では、鉄道整備以外に、日本の得意分野である周辺の街作りについての意見交換も行った。

 

2日目は、まずCIIインド工業連盟のバナジー事務局長をはじめ、CIIの方々と会談した。モディ政権が目指している方向やその内容、CIIとしてのスタンス等について意見を伺い、具体的なビジネス・チャンス等について積極的な意見交換が行われた。また、平林大使より「今年モディ首相が来日される際には、FEC、日印協会、日印友好議連が演説会を開催する予定であり、CIIからの参加をお待ちしたい」と仰っていただいた。なお、CIIとFECは2000年に覚書を取り交わしているが、バナジー事務局長からその更新を働きかけられており、FECとしても前向きに検討したいと伝えている。

午後には首相府を訪問し、シン首相府・人事・公的苦情・年金、原子力エネルギー、宇宙担当大臣と面談した。肩書がたくさんあるのは、新政権下、大臣の数を減らすため兼務しているとのことだ。シン大臣との面談は20分という非常に短い時間だったが、ホテル進出等の日本企業の具体的なニーズに対し、「プロポーザルを送ってもらえば関連部署に送付しておく」等の具体的な回答もいただいた。

続いて、商工省アミタブ・カント次官を訪問した。前回の訪問団でお会いした際にはデリー・ムンバイ産業大動脈開発公社総裁であり、知日派でもある。今回は傘下のJapan Plusの方と一緒に話すことが出来た。Japan Plusは「日本企業がインドで直面する課題の解決支援や、日本からの投資をファストトラックに乗せて促進していく役割を担うもの」だが、日本からは経済産業省の職員が派遣されている。カント次官からは新政権の実現したことを詳細に説明して頂いた上に、団員の具体的な質問に対し丁寧に回答いただいた。

次に女性子供開発省のオベロイ次官と面談した。オベロイ次官からはインドでビジネス展開していく際のアドバイスを、特に女性の活用についての意見を頂いた。また、マイクロ・ファイナンスや子供の教育のためのIT化等について意見交換がなされた。

二日目の最後は財務省メヘリシ次官との面談となった。日本を含めた海外からの投資、連邦レベルでの消費税の導入、Make-in-India等のモディ首相の政策について説明を頂いた。インドにおけるパートナー探しの秘訣について聞いたところ、「”Passion” & “Patience”が重要である」旨のご発言があり、団員の方々も「確かに」と反応された方も多かった。

デリーでの最終日は、リシジュ内務担当大臣を訪問した。大臣からは、インドの課題のひとつである連邦と州の問題についての見解を頂くとともに、仏教を通じた日本との交流についての意見をいただくなど幅広く意見交換を行うことができた。更に、同行して頂いた磯俣経済公使が就労ビザと滞在許可の期間の差異について是正を求めたところ、大臣からはすぐに対応する旨の確約をいただく等、訪問団としての具体的な成果をみることもできた。

次にインド商工会議所連合のシャルマ理事長をはじめとしてインド商工会議所連合の方々と会談した。シャルマ理事長にとって、今回の訪問団の顧問を務めていただいている平林元大使とペマ教授は共に親友であり和やかな雰囲気の中、会談は行われた。各団員及び商工会議所連合の会員の方々からも自己紹介及び具体的なニーズの紹介があった。

デリーでの最後は、八木駐インド日本国大使主催の歓迎夕食会で幕を閉じた。夕食会に先立ち、インド日本商工会との意見交換も行われた。

 

週末は、ゴアに立ち寄り、束の間の羽休めをした。ゴアは、かつてポルトガル領であり、聖フランシスコ・ザビエルの墓を収容するボン・ジェズ協会や聖フランシス修道院など、ポルトガル時代のキリスト教建築が「ゴアの聖堂と修道院」としてユネスコ世界遺産に登録されている。昨年は、10年に一度ご開帳されるザビエルの遺体にお参りする機会に恵まれた。

 

最後はタミル・ナドゥ州のチェンナイを訪問した。日系企業の進出企業数がインドでは一番多いと聞いている。

まず、タンガマニ工業大臣と面談を行った。大臣からは、チェンナイは平和で日本人にとって大変住みやすい環境である、また、コストも低く州政府による支援が強い州であると説明があった。かなりチェンナイのセールスを受けた印象を持った。

その後、中野チェンナイ総領事主催の歓迎夕食会を開いていただいた。総領事館とチェンナイ日本商工会の方々との肝胆相照らした率直な意見交換は、インドへの進出、拡大を考えている団員の皆様にも役立つものだったのではないか。

訪問団最後の面談は、印日商工会議所との朝食懇談会となった。各団員及び印日商工会議所のメンバーによる自己紹介の後、クリシュナスワミ会長より日本やFECとの長年の関わり、中堅企業の適切なパートナー探しのサポート等について発言をいただいた。また、「インドに進出する際には、日本人だけではなくインド人とも交流を積極的に図ってもらいたい。また、印日商工会議所は中央政府ともコネクションがあるので、積極的に活用してほしい」とアドバイスを頂いた。

その後、空港に向かい、インドの地を後にした。

 

以上、今回は15の訪問先で活発な意見交換を行い大変有意義なものとなった。FECでは次回もインド訪問団を派遣することを検討していると聞いている。メディア等の情報だけではなく、実際にインドを訪問することが重要だと思う。大国だけに現場までにはうまく行き届かない部分もあるかもしれないが、ベクトルをはっきり示し動こうとしているのを私自身感じた。今後、訪問団を派遣する際は、より具体的なものを持ち込めば、いい意味でのトップダウンでアドバイスをもらえるのではないか。

< 一覧へ戻る