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藤田弘道団長の下第18次FEC欧州経済事情等調査団が実りの多い訪問を終えて帰国

トルコウクライナ 日欧文化経済委員会

2011年03月20日更新

トルコとウクライナで両国の政府要人や経済団体と内容豊かな会談

第18次FEC欧州経済事情等調査団団員一行

第18次FEC欧州経済事情等調査団団員一行

とき

平成23年(2011)3月13日(日)〜3月20日(日) 7日間

ところ

トルコ(アンカラ、イスタンブール)、ウクライナ(キエフ)

目 的

トルコおよびウクライナとの経済・人材交流強化のための要人等との意見交換

概要

藤田弘道団長の下第18次FEC欧州経済事情等調査団が実りの多い訪問を終えて帰国する。

内容

FEC日欧文化経済委員会は、藤田弘道日欧委員長(凸版印刷(株)相談役)を団長、三好孝彦FEC副会長((株)日本製紙グループ本社特別顧問)を副団長、久米邦貞日欧委員長代行(元駐独大使)を顧問とする第18次欧州経済事情等調査団一行15名を3月13〜20日、トルコのアンカラ及びイスタンブールとウクライナのキエフに派遣した。

出発直前に我が国を襲った東北地方太平洋沖大地震と大津波による未曾有の大災害で、交通機関が麻痺し、被害の全体像が把握出来ない大混乱の中で、数人の方々は災害対応のため参加を取りやめられたが、調査団派遣は予定通り実施した。

両国の政府要人からは、大変な時期にも拘わらずよくぞご訪問いただいた、日本が真剣に関係強化を進めたいとの気持ちが伝わったとの感想が述べられ、藤田団長はこの苦難を日本国民が一致団結して乗り越えると信じている、世界各国からの温かい援助に心から感謝申し上げると応対した。

今次調査団は、経済が急速に回復に向かいG20の中で中国に次ぐ第二位のGDP成長率を示し、国民の平均年齢が28歳強と若い国民が旺盛な消費を支え、地政学的にも欧州、北アフリカ、中東及び中央アジアの真ん中に位置するトルコと、昨年2月のヤヌーコヴィチ大統領の就任、同3月の大統領支持派アザロフ内閣の成立により、大統領、首相及び議会連立与党の「ねじれ」が解消し安定した内政の下、経済の立て直しに取り組んでいるウクライナの二カ国において、両国の外交、経済、財務等の閣僚並びに経済団体の長ら各界代表との面談を通じて、対日経済関係の現状等の説明を受け、ビジネス拡大策につき率直な意見交換を行い、訪問国の国内市場のみならず、欧州、ロシア、中央アジア等の市場への輸出拠点としての、今後の企業戦略の参考となり、併せて訪問国に我が国の民間企業のニーズを知ってもらう上で実り多いものであった。

【日程】

3月13日、成田空港特別室で結団式を終え全日空機でミュンヘンを経由しアンカラへ。14日/午前=トルコ産業貿易省訪問(ジャーバル次官補等と懇談)。ハジェッテベ大学のハイテクパーク視察。午後=トルコ資源エネルギー省訪問(チェティン資源エネルギー省局長等と懇談)。トルコ経済政策研究基金(TEPAV)訪問(ギュベン執行理事等と懇談)。荒木喜代志駐トルコ大使主催の夕食懇談会(山中公使等同席)。15日/午前=内閣府投資促進庁訪問(パルマクジズ・プロジェクト部長等と懇談)。ダーヴトオール外務大臣表敬訪問(荒木大使同行)。午後=財務省訪問(ジョスクン次官補等と懇談)。アンカラ大学訪問(メルトハン・アンカラ大学日本語学科教授等と懇談)。アクダー保健大臣表敬訪問。トルコ航空にてイスタンブールへ。16日/午前・午後=文化遺産等視察。夕刻=林克好駐イスタンブール総領事主催夕食懇談会(蘆田首席領事、日本商工会幹部同席)。17日/午前=トルコ航空にてキエフへ。午後=伊澤正駐ウクライナ大使主催昼食会(書記官数名同席)。環境投資庁訪問(オルレンコ長官等と懇談)。18日/午前=外務省訪問(マイコ次官等と懇談)。午後=ヤロシェンコ財務大臣表敬訪問(ミャルコフスキー第一次官等同席)。産業家・企業家連盟訪問(キナフ総裁等と懇談)。科学アカデミー訪問(パトン総裁等と懇談)。藤田団長主催夕食懇談会(佐藤義晴一等書記官同席)。19日/午前=市内視察。午後=チェルノブイリ博物館視察。夕刻=ルフトハンザ機でミュンヘンへ。ミュンヘンにて全日空機に乗り継ぎ帰国の途へ。20日/午後=成田空港着。

【団員】

団長=藤田弘道凸版印刷(株)相談役・FEC副会長兼日欧文化経済委員長

顧問=久米邦貞FEC日欧文化経済委員長代行・元駐独大使

副団長=三好孝彦(株)日本製紙グループ本社特別顧問・FEC副会長

事務局長=大木伸也凸版印刷(株)英国社長

団員=▽▽米澤泰治米澤化学(株)代表取締役社長、▽松本謙一サクラグローバルホールディング(株)代表取締役会長、▽今田潔信越化学工業(株)顧問、▽森本威之チッソ(株)取締役常務執行役員、▽千代晴康東洋インキ製造(株)常務執行役員インキセクターAI事業担当、▽西堀勝仁全日本空輸(株)営業推進本部担当部長、▽秋元隆史トッパン・フォームズ(株)国際事業部担当部長、▽長浦善文(株)日本製紙グループ本社企画本部海外事業部主席調査役、▽藤田洋子凸版印刷(株)相談役令夫人、▽角田聖子凸版印刷(株)秘書室係長、団長付=前田貴俊民間外交推進協会事務局長(注)大門進吾凸版印刷(株)常務取締役と矢作公利東京電力(株)原子力・立地業務部部長は震災の影響で不参加となった。随行員1名

 

アンカラで外相ら政府要人やシンクタンク、大学を訪問


藤田団長とダーヴトオール・トルコ外務大臣

ジョスクン・トルコ財務省次官補

 

一行は3月13日〜15日アンカラを訪問。14日のジャーバル産業貿易省次官補との面談では、トルコへの投資促進に向けての優遇政策について説明を受けた。ハジェッテベ大学内のハイテクパークを視察した。チェティン資源エネルギー省局長との面談では、日土間での原子力発電を中心とするエネルギー協力について率直な意見を交わし。ギュベン・トルコ経済政策研究基金(TEPAV)執行理事との面談では、トルコの産業構造と韓国との発展の比較について詳しい説明を受けた。荒木喜代志駐トルコ大使主催夕食会は、着任1週間の上、震災対応で多忙を極めておられたが予定通り開催いただき、トルコ在勤4回目の山中公使も交え和やかに懇談が行われた。15日のパルマクジズ内閣府投資促進庁プロジェクト部長との会談では、トルコへの投資ビデオとプレゼンテーションを受けた。ダーヴトオール外務大臣との会談では、大地震のお見舞いと、トルコ政府として日本側が望む要請があれば最後の最後まで応援する。全ての機関が日本に出発する準備が出来ている。一部は既に日本を訪問している。トルコも地震が多い国なので、自分のことと理解していると語り、外相に就任する前には3〜4回日本を訪問しているが、就任後はまだ訪問出来ていないので、六月の総選挙の後、日本を訪問したいと述べた。ジョスクル財務省次官補との面談では、2001年の金融危機で銀行制度を見直し、05〜06年にトルコ国内の経済はEU加盟に向けた新しいルールが設けられたなどの説明を受けた。メルトハン・アンカラ大学日本語学科教授等との面談では大学概要説明の後、教育交流の意見交換を行った。


ジャーバル・トルコ産業貿易省次官補

チェティン・トルコ資源エネルギー省局長との面談風景
イスタンブールで総領事はじめ日本商工会幹部と意見交換

 

 


林克好イスタンブール総領事主催の夕食会風景

イスタンブールの観光名所「ブルーモスク」

 

調査団は15日午後イスタンブールへ移動し、16日はイスタンブール市内のアヤソフィア、地下宮殿、グラン・バザールを視察し、林克好総領事主催の夕食懇談会には現地日本商工会の幹部が6名出席され、各団員と現地事情について活発な意見交換が行われた。

キエフでは財務大臣ら政府要人と科学アカデミー総裁等と意見交換

 

 


ヤロシェンコ・ウクライナ財務大臣と団員一行

マイコ・ウクライナ外務次官

 

17日午後キエフへ入り、伊澤正駐ウクライナ大使主催昼食会で、ウクライナ情勢について詳しく説明を受けた。オルレンコ環境投資庁長官との面談ではグリーン・インベストメント・スキームについて詳しく説明を受け、省エネ技術等について活発な意見交換を行った。18日マイコ外務次官との面談では、ウクライナ政府からの震災支援物資の毛布二千枚をFECが受け取り被災地に届けた事に対し謝意が述べられた。ヤロシェンコ財務大臣との会談では、新政権の一番の課題である経済的安定に向けて国家予算をたった一ヶ月で決めた事や税制など財務運営について説明を受けた。途中退席の後再び戻られた財務大臣より、首相からのメッセージとしてウクライナ国民を代表し被災者への哀悼と、日本は必ず復興すると信じている。日本政府が望む支援は何なりと協力すると語られた。フナフ産業家企業家連盟総裁等との面談では、経済交流促進に向けて意見交換を行った。パトン科学アカデミー総裁等との面談では、科学アカデミー概要説明の後、それそれの分野の専門家が出席される中、チェルノブイリ原発事故の対処方法を研究しているコロネル博士よりエアキャップ使用のアイデアを図解で説明。必要があれば直ちに福島原発に行くとの力強い申し出を受けた。その後の対応は大使館の佐藤書記官が協議することとなった。伝統的なウクライナ料理のレストランで藤田団長主催の夕食懇談会が開催され、食文化について理解と団員の親睦を深めた。19日は聖ソフィア寺院やチェルノブイリ博物館の見学を行った。
 


ウクライナ科学アカデミーでのパトン総裁との面談風景

チェルノブイリ博物館を見学

(前田貴俊団長付・FEC事務局長・記)

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