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ヴァイヴァルス駐日ラトビア大使が、三好孝彦副会長らFEC役員を招き東京都内で昼食懇談会を開催した

ラトビア 日欧文化経済委員会

2008年01月28日更新

4月に経済大臣が来日するのでFECの協力の下に経済懇談会を開催して欲しい=第78回FEC日欧経済等フォーラム

とき

平成20年(2008)1月28日(月) 12時〜14時

ところ

北大路・赤坂茶寮の個室(千代田区永田町2-13-5)

概要

ヴァイヴァルス駐日ラトビア大使が、FEC役員を招き東京都内で昼食懇談会を開催。

内容

テーマ

昨年9月にラトビアを第14次FEC欧州経済事情等調査団が訪問して以来、FECと在日ラトビア大使館、同国政府との関係がより緊密化され情報交換、人物交流が活発に行われている中で、今般駐日大使がFEC役員を昼食会に招き両国関係の強化に向けての意見交換の場としたいとの意向で催された。

内 容

昼食会は日本座敷で和食により催された。冒頭に埴岡副理事長が大使主催の昼食会の開催趣旨を説明。続いて大使が歓迎あいさつと両国関係の一層の発展を祈念しての発声により一同が乾杯した後、昼食をともに和やかなムードの中両者が親しく懇談した。

概 要

1月28日 ラトヴィア ヴァイヴァルス大使からの昼食会(記録)

大使:昨年大使館を開き1年間活動をしてきた。また、昨年のFEC第14次訪欧団のリガ訪問は大変に意義があり日本とラトヴィアの関係を深めることとなり大成功であった。また、天皇・皇后両陛下の訪問も祈念すべき出来事であった。FEC訪欧団メンバーは言うまでもなく、FECの役員、会員等メンバーは我々の友人と考えている。両国のビジネス関係も深まっているし、今日の昼食会はFECに対してのお礼を表すための場である。

FEC副会長の三好(株)日本製紙グループ本社会長:本日のお招きを感謝する。昨年秋の訪問以来ラトヴィア関係のことが出てくると気をつけるようになっている。今後ますます、いろいろな局面で両国の関係が深まることを祈念している。

以下大使の発言のポイント:(抜粋)

1. ラトヴィア音楽協会(05年設立)の活動が広がっている。指揮者、NHK児童合唱団などの分野で。協会の設立は05年だが、実際の活動は15年近く続けてきている。
2. 経済担当をしている次席が調べたところ、約40のラトヴィアの企業が日本への輸出をしている。最も大きな輸出は、合板である。この企業はロシアにも生産工場を持っており、LPG船の内装などもしている。木材材料そのものは、ラトヴィアで切り出しているのではなく、ロシアなどの原材料を使うことが多い。

別の企業は、ラトヴィア内で製造したウオッカ(ロシアのウオッカとして売っている)、石鹸などがある。

それから大鵬薬品がガンの薬の原材料を製造しておりこれを日本へ輸出している。先日この大鵬薬品の四国工場に行ってきたところである。

3. 日本への関心は日本が持っている技術である。プラスティック・パイプ(塩ビ?)の技術をドイツに頼んだら古い技術の提案をしてきたので断ったところである。
4. このほど大使館として経済担当を1名増員することとした。JETROのような仕事をしてもらうことを予定している。
5. この4月の第1週または第2週での経済大臣(昨年訪問時とは大臣は交代し変わっているが)の日本訪問を予定している。セミナーを開きたいと思うがどうか。

(埴岡副理事長)大臣訪問は別途相談することとしたい。

6. うれしかったことは、(1)天皇陛下が読んだお歌の一つにラトヴィアのことに触れたお歌があったこと。
(2)日本政府も予算を付け、ラトヴィアの日本大使館開設を決めたこと。聞いているところではこの10月に予算化し、来年1、2月ごろには対が赴任と聞いている。
7. ロシアとの関係は目下良い。このほどロシア外務大臣がラトヴィアを訪れ、長年の懸案であった2カ国間の国境協定が調印されたことである。ラトヴィアはEU、NATOメンバーであることから、この国境はEUそしてNATOの国境ともなる。この国境協定の調印のために、これまでロシアとある領土で争ってきたところがあったが、これを放棄して調印にこぎつけた経緯もある。

シェンゲン協定(自動車での移動は自由だがまだ航空での移動は制限がある)にも参加したので、国境警備も自国の仕事になった。

8. 昨年の経済成長は11%、今年は7%程度を見込んでいる。昨年インフレが大きく、土地バブルも発生したが、これはEUから支給されたstructual fund が各方面への需要圧力となってインフレが進んだためである。

目下政府はインフレ対策に取り組んでおり、一例としては住宅ローンがある。世界の大手銀行がラトヴィアに進出してきており、彼らはスウェーデンやフィンランドのローン利率よりもラトヴィアが相対的に高いことに着目して相当の資金をラトヴィアに持ち込んできた。これが土地バブルの原因ともなったわけだが、現在は住宅ローンに制限を儲け、ここで引き締めを図っている。

9. 石油の値段が上がったことから、経済合理性の観点からこれまで無視されてきた石油開発の話が出てきている。以前アメリカの会社が埋蔵量を調べたところそれほど大きくなかったことから、大手の進出は実現していない。
10. ラトヴィアは、ロシアから購入した天然ガスを地下に貯蔵しそれを冬場になるとロシアに輸出している。この地下の貯蔵が岩塩の採掘した後かどうか自分は知らないが必要あれば調べてみる。

また、天然ガスを液化して輸出するプロジェクトがラトヴィア、ロシア、中国の3カ国で論議されていたが、昨年中国が降りたといってきた。

11. 製紙関係だが、パルプなどの原材料はロシアなどからの輸入になる。ラトヴィアにある森林を切ることにはならないと思う。

最後に、大使から、今年もFECの協力をよろしくお願いした、当大使館のドアは常に開いており、何でも言ってきて欲しいとのコメントと閉会あいさつがあった。

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