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清水美和東京新聞論説委員を招き

中国 日中文化経済委員会

2006年11月29日更新

第43回FEC中国問題研究会

ホテルオークラ東京・本館にて

ホテルオークラ東京・本館にて

とき

平成18年(2006)11月29日(水)12時〜14時(2時間)

ところ

ホテルオークラ本館11階「スターライト」特別室で 東京都港区虎ノ門2-10-4

概要

「中国指導部の権力闘争とその本質」をテーマに第43回FEC中国問題研究会。

内容

テーマ

第43回FEC中国問題研究会「中国指導部の権力闘争とその本質」

内 容

(1)講師のテーマによる講演、(2)昼食会と講師を囲んでの質疑応答

概 要

「本日は経済界のお歴々にご出席をいただき」と埴岡和正FEC副理事長の開会あいさつと講師の紹介に続いて清水講師が次のとおり講演した。(要旨)

9月末の上海市党書記陳良宇の解任等の激しい政治変動は、「上海解放戦争」とも呼ばれ、その影響は内外政策全般に及ぶ。上海政変は江沢民時代の高度成長路線を修正し、「和諧(調和)社会」の実現へと政策を転換するもので、背景には市場経済化の果実が共産党の一部幹部の利権となり、一般の貧富の格差はむしろ拡大した事への危機感があった。陳書記は江前総書記に連なる上海閥の首相候補であり、今次政変はポスト胡錦濤をにらんだ来秋の党大会に向け、胡指導部が上海閥の制圧を意図した「権力闘争」の側面も強い。

こうした内政面の変化から、対日政策の大転換があった。靖国問題が曖昧なまま安倍総理の訪中が実現したのも、上海政変で反日派の江前総書記の影響力が大幅に後退したためだ。日中共同プレス発表は、両国の戦後の平和発展を評価する画期的内容となり、中国マスコミ・学者の反日論調も一挙に改善した。

胡政権の「反腐敗」闘争は2012年党大会での権力継承に向けて、上海から北京、広東省など反胡派の地盤へと拡大されるだろうが、対日政策や高度経済成長に対する急激な政策転換に対する不満、抵抗も一部にあり、胡政権の前途は決して安泰ではない。

 講師を囲んでFEC役員、会員らが質疑応答を行なった。(一部のみ下記に掲載)
(Q) 中米関係の今後の見通しについて。
(A) 最大の懸案事項は台湾問題だが、胡政権は江前総書記が執着してきた台湾統一の「時間表」を放棄し、現状維持を容認している。米国も胡を支持しており、胡の権力基盤が強化された。
(Q) 胡政権のアキレス腱は何か。
(A) 都市部と農村部の貧富の格差だ。公教育、医療、年金など全ての面で農村部は切迫している。

 

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