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ハン・ベトナム労働大臣を迎え日越経済懇談会を開催(平成18年7月11日)

ベトナム 日アセアン文化経済委員会

2006年07月19日更新

概要

日アセアン文化経済委員会,アセアン問題研究会,グェン・ティ・ハン・ベトナム労働・傷病兵・社会省大臣,ベトナムのインフラ整備,湯下博之元駐ベトナム大使,ハー・ティ・キェット・ベトナム婦人会会長,武藤高義カルピス(株)会長,カップ駐日大使,ドイモイ政策,APEC,世界経済フォーラム,ダボス会議,ODA

内容

 FEC日アセアン文化経済委員会(委員長・稲森俊介味の素(株)特別顧問)は7月11日午前、東京・ホテルニューオータニでグェン・ティ・ハン・ベトナム労働・傷病兵・社会省大臣(国会議員)、カップ駐日大使、ツァン国会議員ら一行8名を招きFEC日越経済労働問題懇談会を開催した。
埴岡副理事長の開会あいさつに続いて稲森委員長が一行を歓迎して、貴国の発展と課題についてお話しくださいとあいさつを行った。


来日のハン・ベトナム労働大臣(左)を迎えて経済懇談会を開催

ハン大臣の発言要旨

まず、ベトナムのインフラ整備が遅れていることは事実だ。今日政府は3つの基本事項(1)政策、(2)人材育成、(3)インフラ整備に基づいて経済発展を進めている。ぜひインフラ整備において日本企業の協力も得たい。
次にベトナムの外交政策は党の決定であり、内閣は変わったが基本政策に変更はなく対日政策も変わらない。
ストライキは、昨年12月と本年1月に発生した。その数は700社だが、主として韓国、台湾、香港企業で、一部が日本企業であった。原因は企業側の責任も大きいが、一方で6年間も賃上げをしなかった政府の責任でもある。そこで最低賃金法を改正して引き上げた。カンボジアよりも賃金が低いということは問題があった。
汚職問題は現在、党、政府、マスコミが一体となってその追放に強力に取り組んでいる。

 湯下博之元駐ベトナム大使は、「ベトナムのインフラ整備はこの10年だ。中国と比べるとやはり遅れているが、現在積極的に進めており、今後の発展は間違いない」とコメントした。
閉会後、出席のFEC会員からは、本日のように両国間の課題などもテーブル上において率直に互いに発言できる場は極めて意義がある。出席して良かった、との感想が寄せられた。

ハー・ティ・キェット・ベトナム婦人会会長を招いて
FEC日越交流懇談会を開催(平成18年6月29日)

FEC日アセアン文化経済委員会は6月29日、ハー・テイ・キエット・ベトナム婦人会長(閣僚)一行を迎えて交流懇談会を東京全日空ホテルで開催した。一行にとり、成田に同日朝到着後直行した最初の会談であった。カップ駐日ベトナム大使が同席し、埴岡FEC副理事長ら役員と女性会員が出迎えて歓迎した。
武藤高義カルピス(株)会長・FEC副会長の歓迎あいさつ
両国関係は近年、十分ではないが緊密化しつつある。両国は国民性の多くの点で共通し、互いに崇高な理念を求めている。本日、ハー会長はじめ女性代表団とカップ駐日大使を招きこの会が催されることは大変にうれしく、来日を心から歓迎する。

本日は女性の社会進出という意味からも率直な意見交換の場として、両国の交流促進の機会としたい。

ベトナム婦人会長
ベトナム婦人協会会長一行に歓迎あいさつをする武藤高義カルピス(株)会長・FEC副会長

ハー・テイ・キエット・ベトナム婦人協会会長のスピーチ要旨

今朝9時半に成田に到着し、その足で当会場に着いた。大変に景色もよく雰囲気のよい懇談会の場に招かれ大変光栄に思う。日本が大変に力強く経済成長を続けていることはよく知られている。日本社会での女性の活躍についても関心が高い。
ベトナムのドイモイ政策の実施において、女性の貢献は高く評価されている。ベトナム婦人協会は、4つの部門があるが、その事業は貧困対策と女性の起業支援である。最近、女性起業家も多く誕生している。さらには汚職追放においても女性の役割に期待されている。
11月にハノイでAPECが開催されるが、関連して女性交流の場を設ける。9月23日から2日間開会するので、FEC女性会員の皆様にも出席してほしい。

 湯下博之元駐ベトナム大使・FEC日アセアン委員長代行の閉会あいさつ
本日のような有意義な会を催すことができ大変うれしく思う。両国は互いに大切な国で、現在、二国間は大変に良好であるが、まだまだ余地がある。企業も未だ十分とはいえないが、もっと大切なことは国民レベル、なかんずく女性の相互交流は極めて重要である。


ベトナム工業大臣を招きFEC日越経済懇談会を開催

FECは、世界経済フォーラム(ダボス会議)の第1回東アジア会議に出席のため来日のホアン・チュン・ハイ・ベトナム工業大臣を招き、平成18年6月16日、FEC役員とのFEC日越経済懇談会を開催した。会は、埴岡FEC副理事長の進行で催された。田中(株)クレハ社長ら各社のトップが出席した。
武藤高義カルピス(株)会長・日アセアン委員の歓迎あいさつ
大臣をお招きし開会できることに謝意を表します。近年、日越両国の関係はより強化され、経済分野においても年々深まっている。FECは今後も両国の交流促進にいっそう尽力したい。

ベトナム工業大臣
右列中央がハイ・ベトナム工業大臣
ハイ工業大臣のあいさつ

近年両国関係が飛躍的に発展していることは慶ばしい。FECの役割を高く評価する。政府を代表し、日本政府と国民の皆様に深く謝意を表す。日本はベトナムへの最大のODA供与国であり、民間の投資も最大である。わが国の経済発展には日本は欠かせない。資金だけではない。ノウハウ、技術、そして文化交流では、日本国民の勤勉さ、創造力も大変に勉強になる。
ベトナム政府の現在の政策は不十分な点もある。特に行政改革等の改革は今後も強力に進める。そして、行政機構の透明性、汚職の追放に力を入れる。
わが国の首相、副首相は常に日本との関係強化を強調している。それは経済のみならず、文化面においても同様である。

質疑応答

田中宏(株)クレハ社長が、ベトナムの電力等のインフラについて質問。大臣は率直にその状況を語り、電力不足に際しては直ぐに手を打ったことなどを説明した。
続いて、間宮忠敏日本郵船(株)特別顧問が、港湾整備などについて質問。大臣は日本のODAを使って港の整備を進めている、さらには民間資金も大いに活用し、インフラの整備に当たりたいと強調した。
湯下大使が、両国関係は順調で、ベトナム側が人の話をよく聞くことがすばらしい、先程のインフラに関しての大臣の説明の中で、電力問題なども直ぐに手を打ったという事例が今後においてもよい結果をもたらす。ストライキに日本企業が巻き込まれるなどがあったが、直ぐに手を打ったことが大事だ、とコメント。
大臣からは、あのときは中央政府は省政府に対して速やかに解決するようにと指示を行った、日本企業は待遇も良いと思っている、と回答した。


ベトナム計画投資大臣を招きFECベトナム投資セミナーを開催

FECはかねてより在日ベトナム大使館と協力し、両国の経済交流促進のための事業を実施。その一環として5月24日、在日ベトナム大使館でFEC日アセアン文化経済委員会と同大使館との共催によるベトナム投資セミナーを開催した。セミナーには、ベトナムからフック計画投資大臣と同省局長ら幹部とカップ駐日大使らが、FECからは副会長の武藤高義カルピス(株)会長、元駐ベトナム大使の湯下博之FEC日アセアン文化経済委員長代行とFEC法人会員及び非会員の80社の企業代表者を含む100名が出席した。

 
 ヴォー・ホン・フック計画投資大臣は、「本日のセミナーがFECと在日ベトナム大使館の協力を得て開催できることを感謝する。20年のドイモイ政策の総括を兼ねての今春のベトナム共産党大会で、2002〜2010年の平均8%の経済成長を目標とした新経済政策と、本年7月に施行の新投資法が制定された。この5年の経済成長は7.2%で昨年は7.5%であった。新経済政策に基づいて、(1)国有企業の民営化、(2)民間企業の活力促進、(3)対外関係の強化、(4)市場経済促進などを柱として実施する。特に日本の企業の投資を歓迎する。今日は互いに率直な意見を交換する場としたい」と力強いあいさつを行った。
大臣のあいさつを受けてブイ・ハー計画投資省総合問題局長は「新経済政策の策定に際しては、初めてのことだが公開で行い、内外関係者の意見を聞くなど大改革を行った」と述べ、ベトナム投資環境・政策の詳細について説明を行った。続いて担当次長がビデオを使用して政策、法令などを説明した。 質疑応答に入り、港湾等インフラ整備、情報開示、金融・証券などの各質問に対しては、その説明のすべてに大臣自身が当たり、補充説明に担当局長が当たった。答弁で大臣は、事実は素直に認めるなどの人柄もあって、参会の企業関係者には好印象を持って受け止められた。説明はベトナムの行政改革にも触れ、投資家のための改革として投資法、企業法が採択され、WTO加盟のこともあり国際基準に基づくものであことを強調した。さらには日越投資協定が両国政府によって調印されて以来、日本からの投資が実績ベースでその伸び第1位であることも指摘した。
 投資セミナーの終了後、FEC副会長の武藤高義カルピス(株)会長は、東京全日空ホテルでフック・ベトナム計画投資大臣一行を招いて夕食懇談会を開催した。写真左から武藤会長、フック大臣、稲森俊介AIS理事長、カップ駐日ベトナム大使。

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