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ポポフ・ロシア外務省イスラム担当大使を招き第59回ロシア問題研究会

ロシア 日露文化経済委員会

2006年10月07日更新

概要

ロシア外務省イスラム担当大使を招き第59回ロシア問題研究会

内容

イスラム問題の専門家のポポフ大使が来日。FECが招待してイスラム問題研究会

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)会長)は10月7日午後、ホテルオークラ東京でヴェニアミン・ポポフ・ロシア外務省イスラム担当大使を招き第59回FECロシア問題研究会を昼食会を兼ねて開催した。
ポポフ大使はロシア外務省入省以来、エジプト、シリア、イラク、南イエメンなどに在勤し、その後大使としてイエメン、リビア、チュニジアに在勤。4年前からロシア外務省のイスラム問題の担当大使としてロシアを代表しイスラム諸国との各種国際会議に出席している。ロシアにおけるイスラム問題の権威者として知られている。今回はFECロシア問題研究会に出席するために1泊2日の日程で来日した。
開会に際して埴岡副理事長は「日ロ関係は経済分野で大きく発展している。FECは新生ロシア誕生後、今日まで15年の交流となる。FECの願いは、日本国民の悲願である北方領土返還を実現し、その後に両国が共に世界に貢献するための役割を果たす道を歩むことである」とあいさつし、ポポフ大使を紹介した。
続いて、FEC日露文化経済委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使が、ポポフ大使は長らくイスラム問題を担当しておられるので、今日はロシアとイスラムとの関係についていろいろ話を伺えることが楽しみだ、先週、ロシア正教主催のギリシャ・ロードス島での文明対話をテーマとした国際会議に出席し帰国した。ロシアは多民族国家でありムスリムも多く、ポポフ大使の本日の話は大変に興味深い、と主催者あいさつを行った。引き続いて大使の講演と、昼食を共に質疑応答を行った。FECからは日本の中東問題の専門家の片倉元駐エジプト大使、水口章敬愛大学助教授とFEC副会長の野村吉三郎全日空特別顧問らが出席、在日ロシア大使館からはオヴチンニコフ参事官ら3人が出席した。

ポポフ大使ポポフ大使を歓迎して乾杯
ポポフ・ロシア・イスラム担当大使を招きFECロシア問題研究会=ホテルオークラ東京で

【ポポフ大使の講演要旨】
以前はソ連と米国、つまり共産主義と自由主義があった。現在は文明と文化によって分割されている。ハンチントンは著書で、欧州諸国とイスラム国家の間の関係が離間していると言った。私はイスラム担当になってから30カ国を訪問し、いくつかの国は2、3度訪れた。しかし、残念なことにそれらの国で対テロ戦争はイスラムとの戦争であると理解されている。

最近のレバノンでの戦争は34日間だけで終わったが世界に大きな衝撃を与えた。世界中で4千万人のムスリムが視聴しているサウジアラビアのニュース番組アルジャジーラは、CNNと同じくらい重要である。というのも、このチャンネルはアラブとイスラムに大きな影響力があり世論に大きな影響を与える。皆がアラビア語で見るので、ムスリムの間に共通の意識が生まれる。この戦争の時は、34日間毎日字幕つきで報道され、第6次中東戦争になったと報じられた。そのテレビを見ていた、多くの人々がテロリスト集団や原理主義集団に加わった。
イラク戦争で殺害された人々の数はフセイン時代よりももっと多かった。民間人も戦争へと向かっているからである。アメリカの専門家は自爆テロを600件といい、イラクの専門家によれば数千件にのぼるとされる。
レバノン・イラクの戦争において、武力を使うことの限界が鮮明に示された。日本は他の国より核の恐ろしさについて私が説明するまでもなく理解していると思う。
文明間の衝突や対立は、沢山の問題を起こし続けている。現在世界には、大きな3つの問題が存在する。(1)国際テロ、(2)大量破壊兵器、(3)文明間の衝突である。
ほかにも国家間に多くの問題があり、貧富の格差や環境破壊などのグローバルな問題がある。これらは、全世界規模でしか解決できない。まさに、一つのボートに乗っている状況である。多面的外交、つまり、対話から始まる多国間のパートナーシップが大事。
ロシアの正教は1千年前からあるが、イスラム教はさらに以前からロシアに存在した。両者の間には対話が存在したので、争うことはなかった。57カ国あるイスラムの世界でロシアは友人であると思われている。ある学者によればロシアは「東でも西でもある」。

最後に、私は本当に日本人の物の見方と国民性に驚き、高く評価している。特に自然を愛する態度とあらゆる宗教に対しての寛容さは素晴らしい。宗教で戦争をしている人々にとって、良い手本となるだろう。「文明の衝突」などとあまり言い過ぎない方がよい。宗教そのものが原因ではなく、強度依存こそが問題なのだから。

【質疑応答】
 両国の関係にはいくつかの懸念がある。(1)イランの核開発について(2) アルジェリアに大量の武器を売却したと聞いたがこれはどうか?(3)上海機構をどのように使うのか、そこにはイラクも入れるのか?(4)イランとロシアでGASOPECというものをつくるという話があるがこれはどうなのか? 国際社会の求める共通認識をロシアも踏むことが出来るのか?
 最近数年間の関係は人類のために大きな役割を果たした。ロシアとイランのエネルギーの問題は分かりやすく透明でなければならない。GASOPECに関して同盟を作るかどうかといった話はしないし今のところ実務的な提案はない。残念ながら中東はさらに不安定になってきている。これを解決するためには、包括的な解決策が必要である。アルジェリアに対する武器売却に関しては、防衛のためのもので、攻撃用のものではない。
テロの問題で今後焦点になるのは3点で、(1)テロとの戦いは武力では勝てない。(2)何かの実際的な文明間の対話のプログラムが必要。(3)イスラムの人々の参加がなければこの問題の解決は無理である。

原理主義に対しては、話の論点を明らかにし、何が主題なのかを正確に判断する必要がある。文明は原理主義との関係で失敗をした。ここで重要なのは対話である。
 一番の心配はイランが核を保有するのか、そして北朝鮮の核問題はどうするのかと言うこと。
 私達は戦争を望まない。暴力よりも対話の方がずっと必要である。北朝鮮に関しては今非常に難しい状態であるが攻撃してはいけない。私はここでもやはり対話が必要であると考える。
将来的には核兵器というものは危険であるので無くなると思う。そしてそれは対話によって成されるだろう。
我々ロシアは明確な意識への戻り道を探している。我々は長くイデオロギーに依存しすぎた。この間違いで多くのことを学んだ。白か黒かという意見は良くない。世界には色々な色がある。しかし以前のソ連は違った。

(文責はFEC)

ロシュコフ駐日ロシア大使主催昼食会にFEC役員が招かれる

ロシア料理を賞味しながら日露経済等懇談会

ロシュコフ駐日ロシア連邦大使はモスクワでの夏休みを終えて帰京したばかりの9月14日、東京・麻布台の在日ロシア大使館で内藤明人FEC日露文化経済委員長(リンナイ(株)会長)、斉藤邦彦FEC理事長らFEC役員を招いての昼食会を開催した。大使館は大使のほかコスティン参事官とマリエフ一等書記官が出席した
昼食会は大使の歓迎あいさつで始まり、大使が3年前に駐日大使として着任して以来、今日までのFECによる両国関係強化に向けての尽力を高く評価していると述べた。
続いてロシア料理を賞味しながら両国の政治課題、経済交流上の諸問題などについて本音で率直な意見交換を行なった。大使の発言には大変に思い切った内容もあり、出席したFEC役員は有意義な懇談の場であったと感想を述べた。

ロシア大使館に招かれ懇談会
在日ロシア大使館に招かれ大使主催の昼食懇談会に出席のFEC役員(右側) =麻布台のロシア大使館で
【FEC側出席者】
理事長
副会長・日露委員長
副会長・日露副委員長
前日露委員長日露委員
理事


日露委員
副理事長・専務理事
斉藤邦彦元駐米大使
内藤明人リンナイ株式会社会長
原良也株式会社大和証券グループ本社会長
安崎暁株式会社小松製作所特別顧問・前会長
依田正稔株式会社荏原製作所相談役・前社長
草苅隆郎日本郵船株式会社会長武井宏株式会社ボルテックスセイグン社長
宮脇宗嗣RBS証券会社駐日代表・社長
森敏光株式会社みちのく銀行顧問
埴岡和正

「ロシアの財政・経済と金融システムの現状」をテーマに第54回FECロシア問題研究会

森敏光元駐カザフスタン大使・(株)みちのく銀行顧問を講師に

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)長)は9月7日昼、元駐カザフスタン大使の森敏光(株)みちのく銀行顧問を講師に第54回FECロシア問題研究会を東京全日空ホテルで開催した。
開会に際して内藤委員長は、「リンナイは中国で独ロッシュ社と一体となって事業展開をしており、ロシアでも同社と一緒に取り組む予定だ。モスクワには現地法人とショールームを開設している。ドイツは帝政ロシア時代からロシアと関係が深い。やはりロシアは大国だ」とあいさつ。
続いて森講師は「ロシアの財政・経済と金融システムの現状」と題して資料に基づいて講演。引き続いて昼食をともに森講師を囲んで質疑応答を活発に行い対ロ理解を深める機会となった。出席の女性会員は「こんなに多くの日本企業がロシアに進出して、強い・富めるロシアの現実を知り驚いた」と大変に勉強になったとの感想を述べた。

森みちのく銀行顧問第54回ロシア問題研究会
「ロシアの財政・経済と金融システムの現状」をテーマに第54回ロシア問題研究会 =東京全日空ホテルで

【森講師の講演要旨】
ロシア経済が2001年から急激に発展している。国内総生産、鉱工業生産等の各項目からも明らかだ。GDP実質成長率はプーチン大統領が演説で述べたとおりこの3年の平均は7%で、ルーブル対ドル・ユーロレートの推移においても2003年からはドルが下落してルーブルの評価は大きいものがある。ロシアの国際格付けも同様で、ムーディーズはじめ権威ある国際格付社は2003年10月からロシアをトリプルBと格付けし、世界の大半の投資家がロシアを投資対象として適格であると証明したことになる。今後はその格付けがさらに上位になることが見込まれる。その格付け上昇の理由は、(1)好調なマクロ経済実績、(2)外貨準備高と対外債務、(3)石油収入急増による安定基金と石油価格下落のときの基金の運用、(4)高い数字の財政黒字、(5)構造改革への努力、だ。
他方、問題もいろいろとある。賀国からの対ロ投資は直接投資、証券投資、その他投資も毎年大きく伸びている。ガスプロム社は50%を政府が保有しているが、他は外国人投資家に開放し2200億ドル、ロスネフチ社はロンドン市場に上場し104億ドルを調達している。トヨタなど外資の設備も大きい。第三国経由も含めると日本からの投資が最大と思われる。ルクセンブルクなどからの投資はロシアから逃げた資金が戻っているだけだ。外貨準備高と公的対外債務についても同じく、外貨準備高は韓国を抜き世界第3位で、公的対外債務は8月に旧ソ連の債務を前倒しで全額返済した。90年代の破綻したロシア金融と対比すると信じられない別世界だ。
日本の銀行もシンジケートを経て多額の貸付けを民間分野に行っている。公的債務は順調に減っているが、全体の債務は増えているのは外国からの投資が急増しているからだ。安定化基金のプール金額は今年は昨年対比で4倍に増え、この資金を対外債務返済だけでなく使途を増やせとの声が高まっている。
ロシアの銀行の現状は、(1)脆弱な金融制度と銀行改革への着手、(2)資金総額の顕著な増加、(3)個人ローンの開始と消費者ローンなどの顕著な増加、(4)住宅ローンの飛躍的な伸びは、プーチン大統領の住宅整備、健康医療、教育の3本柱の年次教書演説での法的整備による、(5)デビットカードの普及とクレジットカードへの移行でATM機も普及。それ以外は資本の集中で銀行の合併等再編と外国銀行のロシア銀行の買収だ。

現在ロシアの銀行は免許を有しているものが1229件。日本も三菱UFJが免許を取ったばかりだ。ロシアの銀行は融資が40%伸び30兆円、預金も40%述びて20兆円と好調だ。しかし元来の数字が低かったので伸び率が高い。個人向け貸出は倍に伸びて6兆円、対企業は30〜40%の伸び。しかし日本の預金はロシアの10倍、ロシア人は金は使うが貯金はしない、宵越しの金を持たないのだろう。
銀行改革着手と危機としては、(1)不良銀行の排除と健全銀行育成、(2)預金保険機構制度の導入で、今後の課題としては、(1)金融機能の強化、(2)金融制度の整備、(3)長期資金の不足解消、(4)中小企業金融・個人融資の拡大で、大手行は債券を発行し資金調達を行っている。

【質疑応答】
Q ロシアの自由主義経済の実態は?
A エリツィン時代の無秩序のマフィア経済とは異なり、かなりの自由主義経済である。元々資産は国の財産でありその処分に政府高官が関与することが日本人には理解しにくい点がある。
Q ロシアのたんす預金は?

A 元々大した金額ではなく6兆円くらいで、今日ではそのたんす預金も多くはない。
(文責はFECニュース)

「日露経済関係の現状と問題点」をテーマに第53回FECロシア問題研究会

杉本侃ロシア極東国立総合大学函館校客員教授を迎えて

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)代表取締役会長)は8月23日、東京全日空ホテルに杉本侃ロシア極東国立総合大学函館校客員教授を迎えて、第53回ロシア問題研究会を開催した。
開会に際して埴岡副理事長は「杉本講師はソ連・ロシア研究の大家で長年日露経済交流に尽力されている」と講師を紹介し、先日のロシアの日本漁船銃撃に対し、FECは在日ロシア大使館に厳重抗議を行ったと報告した。また、都甲FEC日露文化経済委員会委員長代行・元駐ロシア大使は、「トヨタ、日産の進出が決まり、ロシア側は「バスに乗り遅れるな」という態度から、日本の企業文化進出を再認識する態度に変化してきた。但しプーチン政権下で官僚が肥大化し汚職も蔓延した」と述べた。杉本講師は、「日露経済関係の現状と問題点」をテーマに対露ビジネスのあり方を中心に講演を行った。研究会には11名の日露委員・会員らの企業関係者が参加し、講演後活発な議論がかわされた。


「日露経済関係の現状と問題点」をテーマに活発な討議が行なわれた =東京全日空ホテルで

【講演要旨】
日ソ(ロ)貿易について、89年以前のゴルバチョフ期は、輸出入が均衡し、輸出は機械、鉄鋼等得意品、輸入は多様な商品という特徴であった。90年代のエリツイン期は「不毛(雌伏)の10年」で、日本の大幅入超が続いた。輸出は激減し殆どが中古車、輸入は水産物、木材、非鉄等であった。プーチン期の02年以降輸出入が著増し、総額は100億ドルに達し記録を更新中である。輸出は自動車、機械が中核を占め、輸入は石油が急増した。日ロ両国にとって相手国貿易のシェアは夫々1%、2.8%にすぎず低い。

日本のロシア投資は年間1億ドル台で、05年ロシアの外国投資受入れの0.3%と低調。直接投資は少ない。日本企業進出は140社。
統計に現れない第3国経由の貿易、投資もある。カザフ向け中古車輸出が7億ドルあり、30億ドル以上とみられる家電、自動車の統計外数字を上乗せすると、ロシアの対日貿易は12位から5位へ上がる。JT、旭硝子は西側からロシア投資した。コンソーシアム型のサハリン1・2プロジェクトに日本は約40億ドル投資しており日本の貢献は高い。
日露経済関係の課題は、政府主導の官民一体の取り組み不足、生かされない過去の教訓、メガプロジェクトの勧め、の3点だ。米国がロシア各地に地方事務所を設置し米国中小企業を支援しているように、官主導のビジネス支援が必要だ。東シベリア原油を太平洋岸に輸送する太平洋パイプライン・プロジェクトで、日本から具体的協力が出てこないとロシアは中国へ持込み、日本は参加できなくなる懸念もある。困っている時に助けることが重要だ。また、巨大プロジェクトは貿易・投資拡大の原動力となる。サハリン1・2プロジェクト関連の投資、輸出はヤマを越えており、次の大型プロジェクトが期待される。
欧州各国は長期信頼関係を背景に68年からロシアの天然ガスを買い付けており、対ロ多国間協力へ拡大した。日本も資源分野で、人、物流、省エネ、環境技術面の広域協力が可能だ。北東アジアでは観光協力も有望だ。ロシアのアジアでの大型プロジェクトには日本だけが関与しており、ロシアは日本を必要としている点を日本人は強く認識すべきだ。

【討議内容】
A(都甲):ロシアはエネルギー以外の機械、ハイテク分野での日本への期待大きい。極東開発協力も重要だ。太平洋パイプラインで、中国だけに売って価格主導権を握られるようなことはしない。ガスプロムと日本企業の協議は続いている。
B(川崎):90年代に「ロシア崩壊(カオス化)説」の公算大であったが、原油価格上昇で救われた。高値はいつまで続くのか。ドイツはロシアをどう見ているか。
杉本:原油の高価格を官僚は心配している。資源依存から脱却し製造業比率を高めたい意識あるが、キリギリス的要素もあり見通しにくい。
A(都甲):油価上昇で産業インフラ改革は止まってしまった。安定化基金は800億ドル蓄積されたが、実物投資は少ない。金融システムも未熟で銀行不信が改善されていない。

C(メルヒャー):ブラント首相の東方外交の成果から天然ガスの輸入が実現した。西独は経済力を政治に活用し、独ソ関係を根本から改善した。第2次大戦後の国境を認め、難民を受入れたが、ブラント首相の東方政策がなければ無理だった。政治が正しい方向に機能している時、経済補完がうまくいく。独ロ関係は緊密な関係にある。日ロ関係ではどうか。
杉本:90年代迄は政治が影響力を及ぼす程日ロ経済関係のレベルは高くなかったが、近年の大型経済ミッションのロシア訪問を契機に、大企業のロシアビジネス意識が高まった。
D(田中):新生ロシアの位置づけをどう見るか。
杉本:西側に近い国家資本主義路線がしばらく続こうが、大きな後退は許されないであろう。「騙してもよい」という風潮あり、企業進出に際しては相手の確認が重要だ。
(田丸 周FEC常任参与・(株)リケン常勤監査役・記)

【出席者】
都甲岳洋FEC日露文化経済委員会委員長代行・元駐ロシア大使、野村吉三郎全日本空輸(株)最高顧問、田中宏(株)クレハ代表取締役社長、ホルスト・メルヒャー ドイツテレコム(株)代表取締役社長、古賀あや新開(株)代表取締役会長、神山茂(株)ジャステック代表取締役社長、志賀 哲夫ヤンマー(株)専務取締役、山口信治ヤマザキ・マザック・トレーデイング(株)取締役、川崎弘東京電力(株)最高顧問、新井直樹帝人(株)帝人グループ常務理事、牧瀬皓一国際石油開発(株)、ユーラシア・中東・アフリカ事業本部、(FEC本部役員)埴岡和正副理事長・専務理事、田丸周常任参与、(株)リケン常勤監査役らが出席。

ガルージン駐日ロシア公使らと埴岡FEC副理事長が面談

埴岡FEC副理事長は7月6日夕、東京都内のホテルに在日ロシア連邦大使館のガルージン駐日ロシア公使とコスティン参事官を招き懇談した。前日に北朝鮮がロシア沿海州の近海の日本海にミサイル7発を連射した事態が発生、さらには15日のロシア・サンクトペテルブルクでのG8開会を前にしてガルージン公使らは大変に多忙の中での面談となった。ミサイル発射については埴岡副理事長「日本もロシアはじめ各国が北朝鮮の挑発を受けたのであり厳しい効果的な制裁を加えるべきで断固たる姿勢で臨むことが肝要だ」と述べると、公使は「冷静沈着であるべきで感情的行動は慎むべきだ」と答えた。

 

笹森清前連合会長とロシア大手石油会社労組委員長らが会談

ロシア連邦・タタール共和国の大手石油会社のタタネフトのG.ヤルリン労組委員長(専従者)らが来日。委員長らは日本の労働運動と労働組合の実態を視察するための訪日で、在日ロシア大使館からFECへの協力依頼を受けて7月7日午後、東京ホテルオークラで日露労働問題懇談会を開催した。
懇談会にはFECからFEC評議員会副議長の笹森清前連合会長と埴岡副理事長が、ロシア側はヤルリン委員長ら代表団と在日ロシア大使館領事が出席した。

懇談では、笹森氏が戦後の日本の労働運動の歴史と発足16年を迎えた連合の沿革を詳しく説明した。説明の一つ一つを真剣に聞き熱心にメモをとった委員長らは、続いて企業の利益配分については、組合はどうしているのか、リストラでの首切りへの対応は、組合費の上部から下部組織の配分比率はなどを矢継ぎ早に質問を行った。ロシアが社会主義から市場経済に移行された過程で労働運動も大きく改革が求められている中での日本訪問であった。

第3次FECロシア経済事情等調査団が7月10日にロシアから帰国

FEC副会長・日露委員会委員の原良也(株)大和證券グループ本社代表取締役会長を団長、FEC日露委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使を顧問、FEC法人会員の企業代表者を団員とする第3次FECロシア経済事情等調査団は7月3日から10日、ロシアのモスクワとエカテリンブルクを訪問した。
一行はモスクワで、イグナチエフ・ロシア中央銀行総裁、プリマコフ・ロシア連邦商工会議所会頭・元連邦首相、マルゲロフ・ロシア連邦院外交問題委員長、グロモフ・モスクワ州副首相、シモニア・ロシア世界経済国際関係研究所(IMEMO)所長、ベスフメリニツイン・ロシア会計検査院検査官(金融・エネルギー等担当で閣僚級)らの各界要人と会った。エカテリンブルクでは、ウラル連邦管区大統領全権副代表のバサルジン氏はじめ同管区内の金融経済分野の代表者らとの日ロ経済フォーラムに出席。さらにはスヴェルドロフスク州政府のモルチャノフ同州第一副知事、コクシャロフ・同州外X対外経済関係大臣とエカテリンブルク市内のホワイトハウスで会い両国の経済交流の促進のあり方についての意見交換を行った。さらにはモスクワで斉藤泰雄駐ロシア大使に公邸に招かれ懇談した。
一行は、元ロシア連邦首相のキリエンコ・ロシア原子力大臣から訪ロを歓迎するとのメッセージを受けて今回面会を予定していたが、15日からのG8開催を間近にしどうサミットの議題の一つとしてエネルギー・原子力問題が予定されていることもあって同大臣には急遽日程が入り中止となった。
エカテリンブルクから再びモスクワに7月8日夕に帰着後、翌9日の日曜日に朝から夕刻までの終日、グロモフ・モスクワ州副首相らの案内で同州内の工業団地を視察した。途中同副首相主催の昼食会にも招かれた。ロシアの州政府の大幹部らが日曜日に終日に渡り外国の代表団を案内することは異例中の異例であった。
一行は、7月4日朝、宿泊のナショナルホテルで朝食会を催し、ロシア世界経済国際関係研究所(IMEMO)のシモニヤ所長をゲストスピーカーとして招き、ロシアの政治、経済諸情勢と日ロ関係について話を聞き意見交換を行った。IMEMOはソ連時代から同政府の最高のシンクタンクとして知られ前所長はプリマコフ元ロシア首相であった。シモニヤ所長からは、今後FECとの交流を深め日ロ両国の課題はじめ諸問題について意見交換を行いたいとの申し入れがあった。

 

第3次ロシア調査団写真
ロシア連邦商工会議所にプリマコフ会頭・元連邦首相を訪問
第3次ロシア調査団写真
モスクワ州政府にグロモフ副首相を訪問し会談
第3次ロシア調査団写真
ロシア上院を訪問しマルゲロフ上院委員長(左)らと会談
第3次ロシア調査団写真
外務省を訪問しヴヌコフ第一アジア局長と会談
第3次ロシア調査団写真
スヴェルドロフスク州ロシア銀行中央管理事務所での円卓会議に出席
第3次ロシア調査団写真
スヴェルドロフスク州のモルチャノフ第一副知事と会談


ロシア・スヴェルドロフスク州知事の訪日団一行を歓迎

■ ロッセリ・スヴェルドロフスク州知事一行を迎えてFEC日ロ経済懇談会(18年6月26日)

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)会長)は6月26日昼、ロシア・スヴェルドロフスク州知事を団長とする訪日団一行を迎え、都内で歓迎昼食会を開催した。同州の州都はエカテリンブルクで、今年7月のFECロシア経済事情等調査団が訪問先として予定している。
一行は外務省に塩崎副大臣訪問を終えて45分遅れで到着。都甲岳洋元駐ロシア大使の出迎えにより、FEC役員の歓迎を受けた。28〜29日は、名古屋の工作機械メーカー数社を訪問した。
【都甲岳洋元駐ロ大使の歓迎あいさつ】
ロッセリ知事の来日を歓迎する。スヴェルドロフスク州は冷戦終結までは地図になかったロシア最大の産業・工業都市である。エリツィン元ロシア大統領は同州の州知事であった。

ロッセリ・スヴェルドロフスク州知事
ロッセリ・スヴェルドロフスク州知事を迎えての歓迎懇談会でロッセリ州知事と埴岡FEC副理事長が本音の意見交換を通じて談論風発の場となった=東京プリンスタワーで
【州知事のあいさつ要旨】
わが州はソ連時代は秘密地域で、日本にはその名前が知られていなかった。ゴルバチョフ大統領(当時)が91年に開放し地図の上に都市名が初めて出ることになった。
ロシアでは有名な産業地帯として知られ、産業都市としてはロシアで第3番目。16万の、大・中・小様々な企業が存在している。他の地域と対比して一番の特徴は、産業に必要な資源があること。800万トンの生産力を有する製鉄所があり、アルミは36万トン、銅は35万トン、また鋼管も生産し、世界第2位の生産量を誇っている。世界最大のチタン工場もある。昨年、わが州には45億ドルの外国からの投資があった。

わが州は日本の企業に大変に関心がある。工作機械、電機、木材、そして自動車など。米国、西欧各国も訪れ多くの企業を訪問したが、私は日本の企業とぜひ協力したい。その理由は、日本の企業の技術が優れているからだ。

 


プリマコフ・ロシア商工会議所会頭を迎えFEC夕食懇談会等開催

■ プリマコフ・ロシア商工会議所会頭を迎えて(18年5月30日)

 知日派として知られている元ロシア首相で77歳の老練の士プリマコフ・ロシア商工会議所会頭が5月29日〜30日来日した。FECは30日夜、プリマコフ会頭を招き東京都内のホテルで夕食懇談会を開催した。FECからはドレスナーKW証券駐日代表でFEC日欧委員会副会長のジャン
フランソワ・ミニエ氏、日露委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使と埴岡副理事長、及びオブザーバーとして大野功統衆議院議員・前防衛庁長官も出席した。ロシア側は、ペトロフ同会議所副会頭、アタビエフ露日経済協議会理事長ら5人が出席し、夜遅くまで本音を語っての懇談となった。
懇談では、両国の政治問題、東シベリアパイプライン、ロシアの外交政策、六者協議等が幅広く話し合われた。プリマコフ元首相は現職時代を振り返って、「当時の駐ロ大使の都甲氏は、私と会うたびに北方領土返還問題を発言していた」と述べ、都甲氏は「今日においてもその考え方と精神は同じだ」と発言した。

プリマコフ元ロシア連邦首相(左から2人目)を招いてのFEC夕食懇談会=東京都内のホテルで

 

■ リハチョフ・ロシア連邦上院議員を招きFEC昼食懇談会(18年5月31日)

リハチョフ・ロシア連邦上院議員(中央)を迎えてのFEC夕食懇談会=ホテルオークラ東京で

 FEC日露文化経済委員会は5月31日昼、来日中のリハチョフ・ロシア上院議員を招いての昼食会をホテルオークラ東京で開催した。都甲委員長代行は昨年10月の第2次FECロシア経済事情等調査団の訪ロに際しての受け入れについて謝意を表した。続いて、7月3日に出発する第3次同調査団の現地日程の打ち合わせを行い、併せてリハチョフ議員からもFECに対しての交流事業の提案説明を受けた後、昼食をともに意見を交換した。昼食会には在日ロシア大使館からコスティン参事官が同席した。
リハチョフ議員は5月26日に大阪に着き同市内でのセミナーに出席。京都も訪れ29日に東京で塩崎外務副大臣らと会談した。今回は昨年に続いて2回目の来日となった。


モスクワ州政府代表団がFEC役員を相次いで表敬

原大和証券グループ本社会長を表敬(18年4月3日)

モスクワ州代表団、大和証券G本社表記
  グロモフ露モスクワ州副首相を団長とする同州政府代表団は4月3日、東京・大手町の大和証券グループ本社にFEC副会長の原良也会長を表敬した。
面談にはFECから日露委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使と埴岡副理事長も同席した。  冒頭に原会長が、本年7月に訪ロすることを交えて歓迎あいさつ。グロモフ副首相は、ロシア最大の消費地の同州の産業、経済政策についての説明を兼ねてあいさつした。続いて両者により約1時間にわたり両国間の経済関係強化の進め方を含めて意見交換を行った。原会長は、多くの日本企業でロシアに対する関心が高くなっていると述べ、グロモフ副首相は、日本企業の進出の受け入れとしての工業団地の整備には力を入れると強調した。

 

リンナイ本社を表敬、FECロシア経済セミナーを開催(18年4月6日)

 FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)会長)は4月6日、リンナイ本社特別会議室でロシアのモスクワ州政府代表団を招き「FECモスクワ州投資セミナーを開催した。セミナーに先立ち、代表団は、内藤会長の案内で同社製品の展示室を見学した。
セミナーにはFECから内藤明人同委員長(リンナイ(株)会長)、委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使、埴岡副理事長と法人会員の企業代表者ら50名が出席。モスクワ州側はグロモフ同州副首相と同政府の幹部ら8名が出席し質疑応答を行った。
リンナイ本社を見学
モスクワ投資セミナー
【グロモフ・モスクワ州副首相のあいさつ】

埴岡副理事長から、私どもモスクワ州は発展していると紹介していただいたが、今の段階で外国のパートナーを必要としている。モスクワ州はロシア全体に対して手本となる発展をしなければならない。
資本投資と外国投資の受け入れでは、国内のトップ3に常に入っている。州政府の策定したプログラムは順調に実施されており、去年だけで1万5500の新規企業が設立された。その多くは外国資本の参加によるもの。
モスクワはロシアの真珠と呼ばれるところで、モスクワを訪れていただけば、ビジネスだけでなく観光、レクリエーションでも素晴らしいところだと実感していただけると思う。
ぜひ皆様との協力関係が発展していくことを期待しています。


マルゲロフ・ロシア上院外交委員長を招き日ロ問題懇談会

来日を機にFECと意見交換(18年3月28日)

 

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)会長)は3月28日昼、日本政府の招待で来日中のロシア連邦院国際問題委員長(上院外交委員長)のマルゲロフ議員、フェティソフ同院金融市場・通貨流通副委員長ら議員4名、同事務局員3名と在日露大使館員3名の一行10名を招き日露経済問題懇談会をホテルオークラ東京で開催した。
開会時に元駐露大使の都甲岳洋同委員長代行が歓迎あいさつ。続いてマルゲロフ委員長が招きに対し一行を代表してFECに謝意を表し、その後、昼食を挟んで一行と佐藤晃一FEC副会長、埴岡副理事長が懇談した。
議員一行からは矢継ぎ早の質問が出され、主に金融政策を含めた経済問題に関することで、説明には日本銀行出身の佐藤副会長が当たった。日本の財政、税制度は、中央と地方の税の配分は、これからの日本の経済政策はどうするか等々。

マルゲロフ委員長と都甲委員長代行は、東シベリアの石油パイプライン問題について意見交換を行った。
一行は25日に成田に、25〜27日は京都。東京では麻生外相、谷垣財務相らとの会談、福田元官房長官ら日露議連の30名の国会議員と面談。東京証券取引所、築地の東京中央卸売市場等も視察し、30日に離日。


3月28日昼、ホテルオークラ東京でロシア上院議員団を迎えてあいさつする都甲岳洋FEC日露文化経済委員長代行・元駐ロシア大使


ロシア上院副議長を招き第46回ロシア問題研究会

駐日ロシア大使、公使ら幹部が揃って同席(18年1月12日に開会)

 

FEC日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ会長)は1月12日夕、メゼンツェフ・ロシア連邦院(上院)副議長を招き、第46回ロシア問題研究会としての日露懇談会を東京全日空ホテルで開催した。副委員長は4人の連邦院副議長の中で最も若く、プーチン大統領の指示により設置した戦略策定委員会の総裁に就任している。

開会に際して埴岡FEC副理事長があいさつした後、FEC日露委員長代行の都甲岳洋元駐ロシア大使がロシア語で、日露両国は経済関係がより緊密になっていると歓迎あいさつと乾杯発声を行った。メゼンツェフ副議長は、FECの招待に謝意を表した後、「確たる哲学を持ったFECが両国関係の発展に貢献していることに敬意を表し、今後より一層その役割が高まっている」とあいさつ。引き続いて夕食をともに日露両国の交流のあり方を含めて、都甲岳洋委員長代行、FEC理事の唐澤佳長帝人(株)専務取締役らと幅広く活発な意見を交換した。

副議長はイルクーツク州行政府代表でもあり、同州への日本企業誘致やロシア経済政策等も話題となった。

副議長は、9月20日に開会のエネルギー問題と交通インフラの近代化がテーマの第4回バイカル湖経済フォーラムにぜひFEC代表団を招きたいと述べ、埴岡副理事長は「代表団の派遣に努力したい」と答えた。また副議長は、昨年訪日を終え帰国のプーチン大統領が議会の代表者をクレムリンに招き、今次訪日が大変成功であったことと小泉首相とは極めて率直な意見を述べ合う場となったことを力強く説明したことを紹介した。

ロシュコフ駐日大使、ガルージン公使、コスティン参事官ら大使館のトップ3人が同席し大いに盛り上がる懇談となった。閉会に際し埴岡副理事長から記念品を副議長に贈った。


メゼンツェフ副議長(中央)、ロシュコフ駐日大使(左)、ガルージン公使(右)=東京全日空ホテルで

あいさつする埴岡副理事長(起立)、右は都甲岳洋元駐露大使

 

※上記に関しての詳細は、月刊FECニュース紙面に掲載していますので同ニュースを参照して下さい。
※現在、平成18年度上期(4〜9月)の各委員会主催の国別研究会の参加申込みを受付けしています。

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