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第3回FEC日越経済問題等協議会(略称:日越経協)を開催=FEC日越文化経済委員会

ベトナム 日越文化経済委員会

2010年08月03日更新

日本とベトナム両国間のビジネス交流上の諸課題をはじめとする問題点の意見交換を行う

開会挨拶を行うビン駐日ベトナム大使

開会挨拶を行うビン駐日ベトナム大使

開会挨拶を行う松澤建(学)青山学院理事長

開会挨拶を行う松澤建(学)青山学院理事長

報告を行うクァン・ベトナム計画投資省外国投資局副局長

報告を行うクァン・ベトナム計画投資省外国投資局副局長

質問をされるご出席者の方

質問をされるご出席者の方

第3回日越経済問題等協議会の開催風景

第3回日越経済問題等協議会の開催風景

ご出席者の質問に答えるドン・ベトナム計画投資省副大臣

ご出席者の質問に答えるドン・ベトナム計画投資省副大臣

ベトナム・投資環境意見交換会の開催風景

ベトナム・投資環境意見交換会の開催風景

ドン・ベトナム計画投資省副大臣とご出席者の方々

ドン・ベトナム計画投資省副大臣とご出席者の方々

とき

平成22年(2010)8月3日(火)14時〜17時

ところ

在日ベトナム社会主義共和国大使館

概要

平成22年8月3日(火)に第3回FEC日越経済問題等協議会を開催

内容

民間外交推進協会(FEC)日越文化経済委員会(委員長・松澤 建(学)青山学院理事長)は8月3日、在日ベトナム大使館との共催による第3回日越経済問題等協議会(略称:日越経協)を在日ベトナム大使館で開催した。FECはベトナムと21年の交流実績を誇り、調査団派遣や首相、共産党書記長ら要人来日時にはFEC役員との懇談会を数多く開催しており、極めて緊密な民間外交を推進している。本年2月に発足した日越経協は、両国のビジネス交流上の様々な障害、課題について相互理解を深めるための場で、今回はダン・フイ・ドン計画投資副大臣を団長とするベトナム投資促進ミッションの来日に併せて開催され、ベトナム投資環境と進出上の課題などについて日越双方からの報告と意見交換が行われた。ベトナム側は投資促進ミッションの団員をはじめビン駐日大使、フィ投資担当参事官らが出席し、日本側は埴岡清至FEC理事長、松澤 建FEC日越文化経済委員会委員長・(学)青山学院理事長、湯下博之日越文化経済委員長代行・元駐ベトナム大使、荒木 浩東京電力(株)顧問・元会長、高見澤孟NPO法人国際教育開発協会理事長、米澤泰治米澤化学(株)取締役社長、佐藤英昭共生国際特許事務所代表、森 敏光(株)みずほコーポレート銀行顧問、小野寺優(株)ニフコ代表取締役社長ら、FEC役員・会員の他に各界各層の関係者も多く参加し、総勢120名の協議会となった。

協議会概要

 

<開会挨拶>

グエン・フー・ビン駐日ベトナム大使:本日の日越経協には、ドン副大臣を団長とする投資促進ミッションが参加し、日本側もベトナムへの関心の高さを反映し多くの関係者が出席し嬉しく思う。当大使館に対するFECの長年にわたる支援に感謝する。06年のズン首相来日時にFEC日越文化経済委員会が発会し、毎年10件近くベトナム要人との懇談会が実施され、今年は日越経協を2回開催した。本日も実り多い成果を期待する。

ベトナム計画投資省ダン・フイ・ドン副大臣:我々の投資促進ミッションの来日にあわせての日越経協の開催に感謝する。メンバーの各省、自治体政府代表と日本の関係者との情報交換がベトナムの政策策定に反映され、投資や経済交流が促進されることを期待したい。

埴岡清至FEC理事長:共同開催者として本日の日越経協開催を喜びたい。FECは21年間ベトナムのドイモイ政策を支援し交流事業を推進してきた。FECとベトナムは、「水魚の交わり」ともいえご同慶の至り。ビン大使や歴代駐日大使のご尽力に感謝したい。今後も両国関係強化に資する諸事業を実施していきたい。

松澤 建FEC日越文化経済委員会委員長・(学)青山学院理事長:日越経協は、貿易・投資を巡る障害、課題の解決に向けての定期的な意見交換の場として本年2月に発会した。来年からの10ヵ年計画でもインフラ整備による工業化推進が重要な柱。日本にとっても大きな商機だ。ハノイ建都千年の年にタンロン城址が世界遺産として公認され、心からお祝い申し上げる。本日の協議会が多くの出席者にとって有意義な結果となることを期待したい。

<報告>

➀馬場雄一JETRO海外調査部課長代理「ベトナム投資環境評価」

賃金、オフィス賃料等の事業コストの都市比較、日系進出企業の事業成果・予測の国別比較、ベトナム投資環境の調査結果に基づき、上昇傾向の労働コストは尚魅力的だが、裾野産業の育成、インフラ整備が課題と報告。

➁ベトナム計画投資省外国投資局クァン副局長「日越戦略的投資パートナーシップの構築」

インフラ整備等の分野におけるPPP(官民連携)、現行協力体制の高度化により体制の枠組み作りを提案。

➂菅野沙織(株)大和総研主任研究員「日越パートナーシップの高度化」

投資環境整備が進展しベトナムへの投資誘因は増加した。ODAから民間投資へのシフトが望まれ、証券市場創設と国内機関投資家の育成、海外投資家向けPPPインフラ・ファンドを提案。インフラ・ファンドは長期安定志向の日本の投資家向き、と報告。

<意見交換>

湯下博之日越文化経済委員長代行・元駐ベトナム大使:裾野産業の育成やインフラ整備を組織的に取り組む「日越戦略的投資パートナーシップ」は魅力的な概念。ベトナム側の推進者は誰か。

外国投資局クァン副局長:外国投資局と外部研究者の共同研究による概念。まだ検討段階で政府の公式見解ではない。

湯下博之日越文化経済委員長代行・元駐ベトナム大使:離職率増加の背景は何か。

馬場雄一JETRO海外調査部課長代理:特に日本語ができるスタッフ部門への需要が増え、好条件先への転職も多い。以前と比べ定着率が悪化し採用も困難となっている。

投資促進ミッション団員:大都市の物価上昇に賃金上昇が追いつかず、地方に転職するケースもある。工業団地の建設が解決策として考えられよう。

跡田直澄(社)日越経済フォーラム事務局長:3者ともに内容のある格調高い報告。クァン副局長は長期的視点でこれまでの両国協力体制の成果を評価された。人材の育成・活用が重要であり、「日越戦略的投資パートナーシップ」の概念に人的資本への投資も加えていただきたい。

<閉会挨拶>

ベトナム計画投資省ダン・フイ・ドン副大臣:本日は両国の貴重な情報を共有できた。両国が要望する戦略的関係構築の模索は重要。内容の具体化に向けた意見交換をしていきたい。民間投資拡大のための法的整備を経産省と協議している。日本の大企業は経団連経由でベトナム政府との関係を構築しているが、中小企業は市場情報集めに苦労している。JETROを通じて中小企業への情報提供に努めたい。協議会が盛会となり、FEC、ベトナム大使館に感謝する。

閉会後、出席者の多くはJETRO主催の「ベトナム・投資環境意見交換会」(東天紅オペラシティ店)に参加、中華ビュッフェをともに和やかに懇談した。

(田丸 周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役・記)

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