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中島厚志みずほ総合研究所(株)専務取締役・主任研究員を招き第6回FEC米国問題研究会の開催

アメリカ合衆国 日米文化経済委員会

2007年12月12日更新

米国に端を発したサブプライムローン危機と実情と日本経済への影響等をテーマに中島講師が熱弁を振う

講師の中島みずほ総研専務取締役・主任研究員

講師の中島みずほ総研専務取締役・主任研究員

開会あいさつの埴岡FEC副理事長

開会あいさつの埴岡FEC副理事長

とき

平成19年(2007)12月12日(水) 12時〜14時

ところ

ホテルオークラ東京・本館

概要

中島厚志みずほ総合研究所(株)専務取締役を招き第6回FEC米国問題研究会開催。

内容

テーマ

「サブプライムローン危機と日本経済への影響」=余波が今後も世界に広がる可能性も

内 容

開会に際して埴岡副理事長が「福袋と思って買ったら毒まんじゅうであった米国に端を発したサブプライムローン問題は世界の金融不安の影響などがあり来年もその余波は続く。本日は日本のエコノミストの第一人者の中島みずほ総研専務をゲストとして招き、この問題の実態と今後の日本経済への影響がいかに!をテーマに話を聞き、その後ゲストを囲んで大いに意見を交換する場としたい」と主催者あいさつと講師を紹介。その後、中島講師が約50分講演。引き続いて1時間余講師と参会者との活発な質疑応答に移り研究会は大いに盛り上った。

概 要

中島講師は、資料に基づいて約50分間次の内容について詳しく説明を行った。

1) 信用力の低い借り手向けの住宅ローンで住宅価格上昇が前提となったものだ、とサブプライム問題とは何か。この問題は約80%が住宅ローン担保証券(RMBS)として証券化されていることにより随所に波及している。米国政府は金利凍結などの各種対策を打ち出しているが、特効薬とはならない可能性が大きい。
2) 米国経済の動向は、金融市場の混乱による深刻な影響はみられないが、企業部門は緩やかな減速が持続している。消費者マインドにも悪化が見られ消費を巡る環境は緩やかに軟化、消費はXマス商戦でも振るわず消費は減速に向かう見込み。住宅価格も都市部を中心に下落している。
3) 世界経済は、米国経済が減速しても30年ぶりの高成長が持続している。新興国や資源国の高成長やEU拡大、北京オリンピックなどの世界経済発展要因があり、アジア経済の資本流出への抵抗力が高まっている。一方、近年の世界的な金融バブルが崩壊するかと懸念されるものの、その可能性はゼロではないが小さい。
4) サブプライム問題の日本経済への影響は、米国経済の減速で懸念される対米輸出は、海外経済のデカップリングが続けば腰折れない見込み。米国向け輸出減は、今後もEU、アジア、ロシアなど向けが大変に好調でありカバーしている。さらには内需停滞の日本経済の構造的な課題、日本企業の対外状況についてもその実態とやるべき取り組み内容を説明した。

質疑応答では生田正治商船三井(株)相談役が、日本のモノづくりと併せてIT、金融分野の発展が必要でその課題について質問。稲森俊介味の素(株)特別顧問が、されど米国経済の実力は大きいなど出席のFEC役員の経済人が次々と質問を行ない意見も述べた。会場は満席となった。

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