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ポーランドの経営者連盟会長、ワルシャワ証券取引所理事長を招き、第99回FEC日欧経済等フォーラム・茶会を開催

ポーランド 日欧文化経済委員会

2009年04月22日更新

日欧文化経済委員会=日本とポーランドの経済交流促進と今後の世界経済見通しについても活発な議論を展開

ポーランド民間経営者連盟のボフニャン会長(右)とワルシャワ証券取引所のソボレフスキ理事長

ポーランド民間経営者連盟のボフニャン会長(右)とワルシャワ証券取引所のソボレフスキ理事長

第99回FEC日欧経済等フォーラム・茶会に出席のポーランド経済ミッション一行(左)とFEC役員=ホテルオークラ東京

第99回FEC日欧経済等フォーラム・茶会に出席のポーランド経済ミッション一行(左)とFEC役員=ホテルオークラ東京

とき

平成21年(2009)4月22日(水)  14時45分〜 16時45分

ところ

ホテルオークラ東京

概要

ポーランド民間経営者連盟ボフニャン会長及びワルシャワ証券取引所ソボレフスキ理事長を招き、第99回日欧経済等フォーラム・茶会を開催

内容

テーマ

日本とポーランドの経済交流促進に向けて

内 容

FEC(民間外交推進協会)・日欧文化経済委員会は4月22日、元商工大臣でマルチの国際経済人として知られているポーランド民間経営者連盟のボフニャン会長及びワルシャワ証券取引所ソボレフスキ理事長を招き、第99回FEC日欧経済等フォーラム・茶会をホテルオークラ東京で開催した。FECは過去6回経済事情等調査団を派遣するなどポーランドとの長年に亘る交流実績を誇っている。昨年はバルツェロヴィッチ前ポーランド国立銀行総裁を招き2度の経済フォーラムを東京、名古屋で開催したほか、10月には第16次FEC経済調査団がワルシャワを訪れ、パヴラク副首相ら政府閣僚や経済界要人との面談を行った。今次フォーラムにはポーランド側は財務省、ワルシャワ証券取引所、駐日ポーランド大使館の経済参事官ら幹部が同席し、FECからは埴岡和正理事長、藤田弘道日欧文化経済委員長・凸版印刷(株)相談役、久米邦貞日欧文化経済委員長代行・元駐独大使、田丸周常任参与らが出席した。

開会に際して埴岡理事長は、「ポーランドは体制変換後18年経過し順調な経済発展を遂げた。本日は金融危機後の経済情勢について、欧米経済の見通しも含めて見解を伺いたい」と挨拶。続いて藤田日欧文化経済委員長より、「一昨年の訪問時に、中国、インドの企業が優秀な人材を確保していると伺い、日本も貴国との政治・経済関係の強化が必要と思った。ベトナムでは、留学先としてポーランドがロシアに次いで人気があるのも印象的」と主催者挨拶があり、和やかに懇談が行われた。

懇談要旨

ボフニャン・ポーランド民間経営者連盟会長:自分も首相に同行しベトナムを訪問した時、ポーランド語で話しかけられて驚いた。ベトナムとの経済交流はまだ少ない。ポーランドは他国に比べて金融危機の影響は小。今年の成長率はEU内で唯一プラスの見通しで、投資環境としては良好だ。欧州は政府依存度が強い。独仏に比べ、米国の回復は早いのではないか。中東欧は国によって状況が異なる。

ソボレフスキ・ワルシャワ証券取引所理事長:今回の初めての訪日目的はワルシャワ証券取引所の紹介と日本からの証券投資の勧誘。不況下でもポーランドへの証券投資は安全で利益が期待できる。

埴岡和正FEC理事長:米国金融機関の不良債権は未だ確定できず、金融の正常化に時間がかかっている。米国経済は暫く立ち上がれない。自動車産業は政府支援に全面依存し、グリーン・ニューディール関連も次の米国の代表的産業にはなりえないのではないか。

田丸周(株)リケン常勤監査役:金融に支えられていた米国の消費景気は、金融の正常化なしには回復しない。対米輸出が景気を牽引してきた日本と中国の回復の持続性は米国次第だ。

今田潔信越化学工業(株)顧問:ポーランドの雇用情勢は、発表されている数値からは10月のFEC調査団訪問の時期より更に悪化しているようだ。

ボフニャン会長:米国経済の中心は中小企業で、変革の力も強い。ゴールドマン・サックスは業績回復から公的資金を返済する方針だ。ドイツの不況入りでポーランドの輸出が打撃を受けたが、独企業の底入れは近いとメルケル独首相は述べている。ポーランドは3月以降平均賃金も上昇し、雇用情勢は改善している。

ソボレフスキ理事長:既に企業のコスト削減、生産性向上策などの対策も進んでおり、通貨ズロチも回復してきた。欧州の回復力は弱い。昨年10月以降の世界の株価の低下幅はNYが最小だ。ポーランドへの証券投資はNYやロンドン経由が多く、米国の早期回復に期待している。

久米邦貞日欧文化経済委員長代行:外国からの資金流入や直接投資に依存した経済構造は東欧に共通している。ポーランドも影響が大きいのではないか。

今田潔信越化学工業(株)顧問:EU補助金は予定通り交付されているのか。

田丸周(株)リケン常勤監査役:進出日本企業の悩みは輸送インフラの未整備だ。ウクライナと共催の2012年欧州サッカー選手権に向けて整備予定であるが、会長からも推進方圧力をかけていただきたい。

ボフニャン会長:EU補助金は増額され期間も延長された。ユーロ安も増額効果となった。民間部門は心配ないが、公共部門の支出は不安だ。道路整備問題は外資と同様に我々の悩みでもあり、圧力をかけている。高速道路建設は世界一遅いかもしれないが、直前に突貫工事で完成させるかもしれない。

岡田修三東京海上日動火災保険(株)特別参与:ユーロ導入の見通しはどうか。

スジンスカ財務省副局長:ユーロ導入は状況が良くなった時に実現する。今年中のERM〜(欧州為替相場メカニズム)入りは必要条件ではない。

藤田弘道日欧文化経済委員長:製造会社のポーランド進出メリットはどのような点か。

ボフニャン会長:地理的優位性、西欧からの帰国若年労働者の活用、EU基金の利用などから欧州最大の投資先となっている。

埴岡和正FEC理事長:本年暮れに予定されているトゥスク首相来日時には、FEC主催の経済フォーラム開催を計画している。インフラ整備や証券投資などをテーマに、両国関係強化に資する活発なフォーラムとしたい。この旨を是非首相にお伝え願いたい。

ソボレフスキ理事長:「ポーランドは第2の日本」(ワレサ元大統領の言葉)を目標としており、是非FECのポーランド支援をお願いしたい。

(田丸周FEC常任参与・(株)リケン常勤監査役・記)

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