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前外務事務次官の谷内正太郎日本政府代表を招き第17回FEC米国問題研究会開催

谷内講師が対米外交など日本の外交戦略と自身の存念を力強く語る=FEC日米文化経済委員会

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熱弁を振る谷内講師
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第17回FEC米国問題研究会開催風景

と き

平成21年(2009)3月12日(木) 12時〜14時10分

ところ

ホテルオークラ東京

概 要

 FEC日米文化経済委員会(委員長・徳川恒孝(財)徳川記念財団理事長)は、第17回FEC米国問題研究会を講師として谷内正太郎日本政府代表(前外務事務次官)を招きホテルオークラ東京で開催した。
 開会に際し埴岡FEC理事長があいさつし渡邊五郎FEC日米文化経済副委員長を紹介。渡邊副委員長は主催者を代表してのあいさつを兼ねて来賓を紹介した。続いて谷内正太郎講師は、麻生総理が外国首脳としては初めてのホワイトハウス賓客として招かれ日米首脳会談が行われたことは極めて画期的なことであった。米国は金融危機と世界同時不況の真只中にあるが、米国の底力を無視してはならないと冒頭に強調。麻生総理から非常勤・無報酬の政府代表就任を要請されて受諾した。主として対露外交に当たっている。一方本職の早稲田、慶應大学等の大学教授として若い世代の育成に日々力を入れているが、最近の若者の中には優れた学生もいるし向学心に燃えていると語った。講師は別項の「日本の外交戦略」講演要旨に基づいて約50分間熱弁を振った。
 終了後は満席の会場から次々に質問が出されて定刻に開会、閉会が大原則のFEC研究会としては珍しく10分延長しての閉会となった。

谷内講師の「 日 本 の 外 交 戦 略 」講演要旨

1.新しいパワー・バランス
    (1)金融危機と世界同時不況(2)単独行動主義とオーバーコミットメント−オバマ大統領の登場(3)一極構造から多極又は無極構造へ
2.麻生外交の特色
    (1)戦略的外交−国益と国力(2)柔軟な現実主義−目的と手段(3)国際公益と国益の両立(ノープリス・オブリジェ)−普遍的価値の尊重
3.安倍政権以降の外交の流れ
    ・明治以降の「追い付き型」の外交から、責任ある大国としての「戦略的外交」へ
      cf.戦後日本の戦略的決断と基本外交方針
    ・アジア外交の再構築(安倍)→アジア外交と日米同盟の共鳴(福田)→戦略的外交(麻生)
4.戦略的外交の基本課題
    ・「外交センスのない国は滅びる」(吉田茂)
    ・日本外交の最重要課題:日本が自立し、発展するための国際環境を形成すること、すなわち、アジアの平和、安全、安定及び反映の確立/そのために関係大国(日、米、中、露、印及び韓国、豪州)が責任ある役割を果たすシステムを中長期的に構築すること
    ・(1)日本が関係大国と真正面から向き合って土俵の上で相撲をとることが肝要−引き分けの外交(51%の勝利)、(2)自由と繁栄の弧、(3)海洋国家ネットワークの構築
5.東アジア情勢の展望
(1)「新超大国」を目指す中国の台頭
    ・開放政策、急速な経済成長、格差・矛盾の拡大
    ・軍事大国化、国防費の増大、透明性
    ・求心力(経済発展、オリンピック)と遠心力(台湾、チベット、ウィグル)
    ・責任ある大国か、覇権国か?
    ・戦略的互恵関係
(2)苦悩する「唯一の超大国」たる米国の選択
    ・沈滞ムード、主役から脇役へ(?)→新大統領への大きな期待
    ・リップマン・ギャップ/ユニラテラリズム/アジア政策の不在
    ・グローバル・パワー:アジアのパートナーは中国か、日本か?
    ・巻き込まれる恐怖と見捨てられる恐怖
    ・日米同盟:21世紀の世界のビジョンを共有する戦略的パートナーシップ
    ・日米安保体制の強化(対等性と双務性の導入)
    ・日米FTAの検討
(3)「強いロシア」の「強い外交」
    ・エネルギー価格の高騰と「強い経済」
    ・ソ連回帰の懸念(チェチェン、グルジア、マスコミ対策、財閥対策等)
    ・欧米諸国との摩擦、対立/中国との潜在的対立→友は何処?
    ・明るい日露関係
(4)「第二の経済大国」たる日本の閉塞感
    ・「制約」の多い日本:安全保障(憲法)、政治(ねじれ現象、公務員たたき)、経済(景気、国際的役割)−逆リップマン・ギャップ
    ・国際的地位、国際的評価の低下?−対テロ特措法/海賊/アフガン支援
    ・内向き、後退、縮み志向か、あるいは積極外交、戦略的外交か?
(5)地域協力の推進
    ・ASEAN+3とEAS−普遍的価値観、インド(戦略的グローバル・パートナー)
    ・東アジア共同体
    ・自由と繁栄の弧
6.「外交は国力の頭脳である」(H. モーゲンソー)
    ▼マルチ外交
     (1)国連安全保障機能の向上−常任理メンバー、国際平和協力への貢献
     (2)世界第2位の経済大国としての役割と責任
      −金融危機、景気後退への対応、WTO及びラウンドでのリーダーシップ
     (3)環境−大量消費国、先進技術国としての日本のリーダーシップ
    ▼ミニラテラル外交(日中韓、日米中、日米豪、日米印等)
    ▼バイの外交

主な出席者

[ゲスト]
谷内 正太郎 日本政府代表、外務省顧問(前外務事務次官)
[FEC役員・会員]
渡邊 五郎 日米文化経済委員会副委員長、森ビル(株)特別顧問
稲森 俊介 味の素(株)特別顧問・元会長
荒木  宏 東京電力(株)顧問・元会長
野村吉三郎 全日本空輸(株)最高顧問・前会長
松尾 邦彦 国際石油開発帝石(株)代表取締役会長
清原 武彦 (株)産業経済新聞社代表取締役会長
法亢 堯次 フジサンケイ・コミュニケーションズ・インターナショナル代表取締役会長
新町 敏行 (株)日本航空常任顧問・前会長
内田  勲 横河電機(株)代表取締役会長
志賀 哲夫 ヤンマー(株)顧問
北  修爾 阪和興業(株)代表取締役社長
山田 洋暉 (株)クラレ監査役
小林 正明 日本貨物鉄道(株)代表取締役社長
武井  宏 (株)ボルテックスセイグン代表取締役社長
古河 あや 新開(株)代表取締役会長
廖  経邦 台北駐日経済文化代表処顧問兼業務担当組長
坂井 音重 白翔會 能楽師
神山  茂 (株)ジャステック代表取締役社長
織田幾太郎 (株)JTBベネフィット代表取締役社長
間嶋 恒吾 サクラインターナショナル(株)代表取締役社長
水沼 正剛 電源開発(株)常務執行役員
陳  銘俊 台北駐日経済文化代表処業務部首席課長
埴岡 和正 民間外交推進協会(FEC)理事長

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更新日: 2009年03月12日