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日越文化経済委員会とは ベトナム問題研究会 海外経済事情等調査団FEC日印文化経済委員会(委員長・藤田弘道凸版印刷(株)会長)は8月9日、東京・ホテルオークラに友田富也元丸紅インド社長を迎えて、第38回FECインド問題研究会を開催した。友田講師は豊富なインド・ビジネス体験を交えながら、「日印経済関係の現状と問題点」をテーマに講演を行った。研究会には15名の委員・会員が参加し、講演後活発な質疑がかわされた。
![]() 友田富也元丸紅インド社長(中央)を迎え第38回インド問題研究会 |
【講演要旨】
インドは22の言語、1650の方言がある多民族国家で、通貨は15言語で表示され、ヒンドゥ以下各宗教に祭日があり公平だ。10億人強の人口の男女比率は拡大しつつある。娘の嫁入り時の持参金が少ないと悲惨な目にあうことから、間引きによる幼女死亡率が高いからだ。識字率の低さ(65%)は義務教育予算不足による。
インドは内需を主因に高成長が続き、GDPは日中に次ぐアジア3位となっている。貿易も高い伸びを示しており、日本の対印貿易も増加しているが、相手国別には26位と低い。日本の対印直接投資は自動車関連、化学、電機を中心に累計20億ドル、日系企業は330社進出している。インドは日本の最大の円借款受取国である。
2000年の森前首相の訪印以降、要人の往来や共同研究会(JSG)設置など日印関係は様々なベースで進展している。今後、JSGの成果を踏まえ、経済連携協定(EPA)締結に向けた関係強化が図られよう。また来年は文化協定締結50周年となっており、記念行事が準備されている。
インド駐在経験者から指摘される、インドの3大問題点は、インフラ未整備、非効率・不透明な官僚制度、労務管理の難しさ、である。インフラ面では電力不足、デリーの排水問題、非効率な物流などが深刻だ。カースト制の弊害や労働者保護的な労働法が存在しており、人事管理者は能力が試される。
他方、インド市場へ期待する要因として「3-D」が指摘される。Demography:高齢化が進む中国に対してインドの人口構成は若い。Diaspora(海外移住者):英米で400万人以上高度技術者等で活躍中。Democracy(封建的議会民主主義):貧富差あるが、政権交代はスムーズ、独立後クーデターなし。
最近帰任した商社主管者は、「手遅れにならないため、障害を乗り越えインド投資を」と訴えた。日本企業の経営戦略として、「内需目的の進出」、「インド企業は90%以上オーナー経営者で意思決定は迅速」、「スズキ、三菱化学はIAS(上級国家公務員資格)保有者の採用で成功した」、などの認識が参考となろう。
【質疑応答】
Q:人事管理とカースト制は調和できるのか。
A:カースト制はインド人生活の一部で日常の企業経営の場では問題にならない。また、彼らも下流から脱出すべく、MBAや米国の看護婦資格を取得するなど、上方志向も強い。
Q:日印のFTA交渉は進展しているのか。機械の輸入関税は150%と高く償却負担が重い。
A:中国を意識し具体案を検討中。今年度中に締結されよう。欧米の機械メーカーはインドで作った製品にプレートをつけて母国へ輸出している。インドの物作りは国内部品調達をベースとすべきか。ホンダは設計もインドだ。
Q:インドの外資政策の方向、地域格差問題への対応は。
A:経済発展に応じて開放しており、徐々に100%外資が可能となろう。インド経営者は地元に固執しがちだ。かつて丸紅本社へ「重点8州」と提言したが、投資対象地域を絞ることも重要であろう。
(田丸 周FEC常任参与・(株)リケン常勤監査役の議事録による。詳細はFECニュース9月号に掲載します)
FEC日印文化経済委員会(委員長・藤田弘道凸版印刷渇長)は、7月19日昼、鷹栖丈治日本経済新聞社マーケティング本部企画担当部長を招き、第37回インド問題研究会を東京全日空ホテルで開催した。 鷹栖氏は、インドが経済開放に着手した時期でもある1991年から1994年に日経新聞ニューデリー支局長を務めるなど、今日のインド経済の原点を知る立場から、インドの経済成長の要因と今後の展望について説明した。 研究会にはFEC役員・法人会員代表者らが出席し、埴岡清至FEC企画事業部長の進行により進められた。
![]() 鷹栖丈治氏を迎え第37回インド問題研究会 |
【講演要旨】
私がニューデリーに赴任したのが91年の3月だが、その年の4月にラジブ・ガンジー首相が暗殺されたのち、いまのマンモハン・シン首相、当時は大蔵大臣が経済自由化に踏み切った。その後、BJPというヒンズー原理主義政党が経済自由化の路線を踏襲した。シン首相の貢献はもちろんだが、私はその後のBJPの路線も、最近のインド経済の好調に大きく貢献したと考えている。
インドには独立前からの財閥があり、企業家精神がある。同時に世界最大の民主主義国でもある。経済自由化以後、中産階級が急速に増加しており、カーストをめぐる対立が、とくに都市部ではかなり少なくなった。
インドの財閥はアメリカの方を向いている。海外在住のインド人のうち、米国に2〜300万人、留学生も多い。アメリカにしてみれば経済がアメリカ型に変わって大きなチャンスになった。日本が出遅れたのは、ビジネス上の理由というよりはインド人を使いづらく感じたからではなかったか。
中印関係では、貿易額で見ると2000年に23億ドルだったが04年には120億ドルに伸び、08年には200億ドルが目標となるなど、経済関係が強化された。政治的にも相互訪問や海軍合同演習など、中印戦争を知る人には様変わりを感じるほどだ。
今後の展望としては、インドのビジネス市場は非常に有望。ITとくにソフトウェア、医薬品などバイオ。一番大きいのはインフラ整備で10年間で1500億ドルの投資が必要といわれている。
問題点は、第一に宗教問題。ヒンズーとイスラムの対立はどうしようもない面もあるが、貧富の格差が解決を難しくている。もう一つがインド人気質で、日本企業が労働者を雇ってもうまくいかないと感じるのは事実のようだ。
最近のインド経済への熱狂ぶりは若干いきすぎとも思うが、著しく成長しているのも事実であり、単に日印関係だけではなく米、中、パキスタン、欧州との関係など十分見極めて動いていく必要がある。
【質疑応答】
Q 失業問題は?
A 失業はこの15年間で結構減った。もともと失業率が高い国なので雇用のためにももっと投資が必要。当面のターゲットはインフラ整備だと思う。
Q インドの民主主義の実質は。また、いまは良いように見えてもこの先長いスパンで見て本当に大丈夫か。
A 軍の自制と議会制民主主義が定着しているのは事実だと思う。
将来の三大経済大国と言う予測もあるが、不安な面もある。報道もアクセルを踏みつつブレーキも踏まなければと思う。
Q 女性の社会進出という点では。
A 結構女性の進出も進んでいる。男尊女卑の社会ではなく、基本的に大きな障害はないのではないか。
Q 最近のロシアとの関係は。
A あまり表面には出てきていない。中国ほど目立たないが、事件がないと報道されないからかもしれない。
文責はFEC(詳細はFECニュース9月号に掲載します)